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商社(専門商社(医療・医薬品))
最終更新日: 2007/12/27
(マークの説明) 正社員 理文不問 老舗
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プロの仕事研究
クリニック新規開業の情報を、調剤薬局との取引拡大につなげた営業のプロ。
営業・販売系−営業(法人・新規開拓が中心)
東京城南営業部 港支店
神谷 陽一 (30歳) Yoichi Kamiya
入社8年目 / 日本大学 商学部 商学科 出身

プロフィール
明確な目標を掲げる会社の姿勢に共感し、入社を決意。東京城南営業部港支店へ配属となり、営業として開業医や調剤薬局を訪問するようになる。MSに必要なのは、行動力と情報収集力。神谷自身も、新製品に関する情報や新規開業の情報収集には余念がない。

プロローグ
医薬品卸営業のスペシャリスト、MS(Marketing Specialist)となって7年目の神谷は、現場の最前線を走る若手のエースである。医薬品の世界はメーカーと卸が密接に関わり合って成立している。MR(Medical Representative)は医薬品メーカーの医薬情報担当者。医療機関に自社製品の情報を提供し、使ってもらうように促す。または医療機関から情報を得てMSに伝える。MSは医療機関を回り、MRから得た情報を有効活用しながら、医薬品を紹介し、営業を行う。「新しい病院や調剤薬局ができる」「この医師はこんな薬を使いたがっている」などの情報のやり取りが、メーカーと卸のビジネスのカギを握るのだ。

学生時代、アパレル業界でアルバイトをしていた神谷。ある程度ニーズのあるお客様に服を売っていた。「待つのではなく、どうせなら自分が外に出て、商品を買ってもらう仕事に挑戦したい」。商社や卸を希望したのはそんな理由からだった。そこで目にとまったのがアルフレッサ。“上場を目指す”“1兆円企業を目指す”といった会社の方向性がしっかりとしていることに希望が持てたのだ。

話も聞いてもらえない1年目、ただ顔を覚えてもらうために必死だった。 1
神谷の配属は開業医や調剤薬局を回る部署。40〜50件程度の担当先を持ち、商品を紹介していく。時には、営業が商品を持っていくこともあった。本来は商品は発注を受けて配送専門の担当者が届ける。だが、医師のもとを訪れる予定がある場合や、急な納入の依頼を受けた時は営業が持っていくこともある。そこで神谷は、すすんで納入すべき商品を持ち、担当先を訪ねるようにした。まだ知識も経験も浅いため、医師のもとへ行っても何を話していいのか分からない。商品を持っていくことで、話のきっかけを掴もうとしたのだ。

そんな神谷が1年目に心がけたのは、まず顔を覚えてもらうこと。相手を認識して初めて信頼関係が生まれると感じたのだ。そこで、戦略的に重点をおいた担当先は毎日、それ以外の担当先もなるべく多く顔を出すよう心がけた。だが全く手応えを感じない。顔を覚えてもらえたのかも、分からない。そして2年目になり、ようやく担当先から「神谷君か」と顔と名前を覚えてもらえるようにまでなった。知識も増え、自信もついてきた。「どうやって紹介すれば買ってもらえるだろうか」。仕事に慣れると次は商品を売るための戦略を考えられるほど、余裕もでてきた。

苦戦していた営業エリアに、新規クリニックが開業するとの情報が。 2
入社して4年目のことだった。自分なりの営業スタイルも確立し、後輩の面倒も見るまで成長していた。だが、全てのエリアにおいて成果を残しているわけではなく、ばらつきがあった。神谷の担当先には、アルフレッサから納入する医薬品が、全購買金額の10%しかないという調剤薬局もあり、何かいい方法はないかと考えていた。シェアの50%はアルフレッサが占めている担当先もある。一方でこの調剤薬局は、前任の担当者の時から積極的にアプローチしていなかったため、数字を伸ばせないでいた。

そんな時だった。神谷は日頃親しくしていたある医薬品メーカーのMRから、苦戦している調剤薬局があるエリアにクリニックの開業を考えている医師がいるとの情報を得た。日頃から密接に情報交換をしていたおかげで、いち早くその情報をMRから流してもらえたのだ。そこで、新しく開業する予定の医師が勤務するクリニックを調べることに。生憎、神谷はその勤め先には営業をしていなかった。面会をするため、その医師がいるクリニックへ急いで伺う。「他のMSに情報が流れる前に、自分が入り込めれば…」。MSはスピードが命なのだ。

情報を調剤薬局との取引につなげる。 3
話を聞いてみると、2〜3ヶ月先には開業するとのこと。だが初めてのことで、手順や必要なものが分からず、困っているという。さらに、医薬品のことは全く手がつけられていない状態。競合他社もまだ営業には来ていなかった。そこで神谷は、開業に必要な情報をまとめ、ドクターに伝えた。そして開業するクリニックの近くに、調剤薬局があることを紹介し、「ここで必要な薬を揃えてはいかがでしょう」と話を切り出した。神谷が紹介したのは、苦戦していたあの調剤薬局だった。

患者は処方箋をもらえば、どの調剤薬局でも処方してもらえる。クリニック側が指定することはできない。しかし、そのクリニックで処方する医薬品が揃っていれば、クリニックとしては「ここには処方した薬があります」と言うことはできるのだ。神谷は、まだ入り込むことができていない調剤薬局に、新しいクリニックの医師を紹介しようと考えていた。医師が使いたいと考えている医薬品を揃えることができれば、調剤薬局は売上を伸ばすことができる。神谷は、調剤薬局との取引を拡大させるためのきっかけを掴もうとしたのだ。

調剤薬局にもクリニックにも感謝され、購買シェアも50%に向上。 4
すぐさま神谷は、医師から使用したい医薬品のリストをもらい、調剤薬局側で取り扱いがあるか、在庫は十分かを調べた。そして、新たに揃える医薬品、増やす医薬品の注文は、全てアルフレッサで受注することが決まった。今まで入り込めていなかった調剤薬局との取引が成功し、さらには数字を上げることができたのだ。

こうして互いの仲立ちを行い、クリニックは無事に開業当日を迎えた。それまで調剤薬局に顔を出してもあまり時間を割いてもらえなかった神谷。今では、売上が増えたと感謝してもらうほどの関係を築き上げることができた。そして、今まで以上にアルフレッサに商品を注文してくれるようになり、数字も上がっていった。日頃からMRと情報を交換し合い、その対価として得た情報に迅速に対応したからこその成果である。そしてついに、これまで10%しかなかったシェアは、50%にまでアップしたのだった。

エピローグ
「MSの面白さは、幅広いメーカーの医薬品を扱うこと」と語る神谷。多くの医薬品メーカーの商品の中から、ニーズに合ったものを提案する力も身につけている。

今回のことで学んだのは、情報収集力、迅速な対応、そして信頼関係の大切さ。今回の成功のカギを握ったのがMRからの情報。これは、常日頃から意識して、MRと情報交換を行って信頼関係を築いてきたからこそ、得られたのだ。「この仕事のもう一つの魅力は、人と接すること」。今後も医師や調剤薬局との信頼を強くし、「神谷に任せておけば問題ない」と言われるほどの営業になることが目標だ。
1階の倉庫には営業担当者ごとに棚があり、発注伝票と照らし合わせて医薬品を確認する。時にはここから直接自分で届けることも。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
ゼミナール連合会に参加し、学部内の行事や討論会などを企画・運営した。中でも大変だったのは、企画局長を任された時。企画・設営・運営全てのまとめ役を任されたのだ。その際、粘ってやり通すことで達成感を得ることができた。この姿勢は仕事においても同じ。最後までやり通すことを常に念頭に置いている。
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