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インフラ(不動産) / サービス(専門コンサルティング(金融・不動産系)) / 金融(証券・投資関連)
最終更新日: 2007/10/01
(マークの説明) 正社員 理文不問
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プロの仕事研究
細かな気配りでビルの資産価値を高め、利益を生み出す不動産コンサルティングのプロ。
専門職系−コンサルタント・研究員
プロパティマネジメント事業部/リース・コンサルタント
小山 裕美 (32歳) Hiromi Koyama
入社7年目 / 明星大学 人文学部 英語英文学科 出身

プロフィール
一人暮らしを始めた大学生時代、部屋探しを担当してくれた女性スタッフに憧れて、不動産業界に飛び込んだ。現在、マネージャーとして7名の営業をまとめ、1400室の管理を行う。空室管理、リフォーム、リスクマネジメントと、その業務内容は多岐にわたる。頼りがいのあるキャラクターで、周囲からの人望も厚い。

プロローグ
1999年、新卒で就職したある不動産会社で小山を待っていたのは、運命的な出会い。直属の上司が、後に独立しシー・エフ・ネッツ(以下CFネッツ)を立ち上げる倉橋だったのだ。倉橋から不動産ビジネスの“基本のき”を学んだ日々はかなりハードで、朝は勉強会のため7時に出社、日中は多忙を極め22時過ぎに帰宅する毎日。くじけそうな時もあったが、持ち前の『負けず嫌い』な性格がそれを許さなかった。小山はその年、新人の中で売り上げトップの数字をたたき出したのだった。

小山が1年目のうちに倉橋は独立、3人の仲間とCFネッツを立ち上げた。事業の柱は、アセットマネジメント(AM:不動産投資での資産運用コンサルティング)とプロパティマネジメント(PM:資産価値を高める、物件の管理運用)を統合した不動産コンサルティング。不動産賃貸・売買営業などで2年半の経験を積んだ後、2001年9月、小山は倉橋についてCFネッツへ入社した。そして11月、まだ入社2ヵ月目の小山に与えられたのは、それまでとは比べ物にならない大きな大きなミッション。倉橋の言葉を聞いて、小山は思わず耳を疑った。

「Hさんのビルは、小山がPMを担当してくれ」。

大切なクライアントの、大規模かつ特殊なビルとは。 1
Hさんは、地元の大地主。延べ床2000平米、総工事費10億円ものビルを持っている。駅前に立つそのビルは、『地域の方々に喜ばれるビルを』というHさんの希望を元に、CFネッツが企画からプロデュースして建てられたもの。地域住民のニーズ調査の結果生まれた、医療用テナント5戸、事務所5戸、住居37戸のマンションを組み合わせた特殊なビルである。

「私がですか!?」。Hさんがとても大きなクライアントであることを知っていた小山。「わ、わかりました…!」。答えたものの、正直に言って自信はほとんど無かった。これまで担当してきた建物とは規模が段違いである上に、医療テナントとなれば特殊な管理が必要となる。しかし、大切なクライアントを、倉橋は自分に託してくれたのだ。「やるしかない」。小山は覚悟を決めた。

PM担当者の仕事は、とにかく幅広い。テナント、住居、駐車場の利用者の募集に始まり、掃除など衛生面の管理、メンテナンスや増改築の提案、備品の管理・設置…。しかし、その目的はただ一つ。管理・運営費のコストを抑えつつ、ビルの資産価値を高めて利用者を増やし、オーナー様の利益を作り出すことだ。大切な資産をお預かりする、オーナー様からの信頼が何よりも大切な仕事である。しかし、現状の小山とオーナー様との信頼関係は無いに等しい。担当が決まった直後、Hさんの息子であり実質的なビルのオーナーであるIさんが放ったこの一言が全てを物語っていた。

「本当に、うちの担当は小山さんで大丈夫なんですか?まだ若いし…不安だなぁ」。

オーナー様からの信頼の証は、意外なところに表れる。 2
倉橋からIさんの言葉を聞かされ、唇をかみ締める。そんな小山に倉橋は言った。「小山のことをろくに知らずにそんなことを言うから、『大丈夫、まったく問題無い』って言っておいた。小山は経験もあるし、宅建だって持っているんだから」。そして、この時の倉橋の話がその後の小山が目指す目標となった。「オーナー様に信頼されているかどうかのバロメーターは、お宅にお邪魔して、ご飯をご馳走してもらえることだよ」。

「小山さん、そのトイレットペーパーは1個いくらするんですか?ネットショップで買えばもっと安くなるんじゃないの?」。担当になった当初、打ち合わせの場でIさんに問い詰められた小山は面食らった。「トイレットペーパー1個の値段まで気にしなきゃならないの!?」。しかしそれは、Iさんに信頼されていないという現状の表れだとすぐに気づいた。小山のこれまでの経験値では、ベテランのコンサルタントには及ばない。今の自分にできることは何か…答えはすぐに出た。

「とにかく、これから結果を出すことで、Iさんに認めてもらおう!」。

利用者への細やかな気配りが生んだ、確かな結果。 3
小山は、まずテナントや住居の利用者募集に徹底的に力を入れた。インターネットを駆使して、医療関係者や一般の人たちの目に触れるサイトへの積極的なPRを行う。さらに、利用者とも話し合いの場を持ち、不満や要望を聞きだす。医療テナントがある以上、衛生管理には特に気を遣った。さらに、患者さんが通りやすいように通路やトイレを改造したり、小児科があることを考慮してオムツ替えシートを設置したり。隅々まで清潔に保たれているか、自動販売機の売上はどうか…。気になることなら山ほどある。小山は毎日、ビルを見回った。

小山の細やかな気配りが活かされた管理は、少しずつ実を結んでいった。他のPM担当の仕事も抱える中、毎日のようにIさんと打ち合わせを重ね、ビルの現状を逐一報告する。掃除が行き届いた清潔な設備は、医療テナントの利用者や患者、もちろん住人からも好評であること。駐車場の売上がアップしたこと、3ヶ月間空室だった部屋の入居者が決まったこと…。そして小山がそのビルの担当となって半年が過ぎた頃。Iさんからふいに声をかけられた小山は、わきあがる喜びで胸がいっぱいになった。

「今日の仕事は、もう終わり?よかったらうちで夕飯を食べていってよ、小山さん!」。

「小山さんがいてくれれば、うちのビルは安心だ」。 4
それから約4年後。2005年の4月から2006年3月まで、小山は1年間の出産・育児休暇を取得。再び現場へと復帰した小山はプロパティマネジメント事業部のマネージャーとなった。業務内容は休職以前と同様だが、マネージャーの仕事はチームメンバーの指導、そして現場から報告を受けてオーナー様への提案・交渉が中心である。その物件の価値をもっと上げるためにはどうしたら良いか、立地や利用者の特徴など様々な角度から分析し、利益を生み出していく。

もちろん、Iさんとの連絡を取るのも小山の役割だ。しかし、担当を始めた頃の関係とはわけが違う。「Iさん、そろそろ水周りの補修が必要です。見積もりの結果は…」。Iさんは小山の言葉をさえぎって、笑顔でこう答えた。

「いいよいいよ。小山さんが言うことなら、間違いない。業者も時期も任せるから、よろしく頼むよ!」。

エピローグ
ビルの管理、Iさんとのやりとりを通して、小山は大きな自信をつけたと言う。「どうしてもベテランが強い不動産業界の中で、大きな仕事をやりとげることができた。若くても確かな仕事ができるんだということを、自分が証明できたことが嬉しい」。

小山の夢は、2つある。1つ目は、スタッフを育て、自分の後輩からマネージャーを誕生させること。そして2つ目は、これまで以上の大規模ビルや施設を担当すること。「それも、管理だけではなく、建築物の企画やプロデュースの時点から関わりたい。もちろん、オーナー様との距離が近い今の立場はそのままでね」。仕事の幅が広がれば広がるほど、小山の夢は膨らんでいく。
「競合ひしめく不動産業界で生き抜く秘訣は何ですか?」「やっぱり、『負けず嫌い』精神かしらね」。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学時代はサッカーサークルに所属、泥だらけになってボールを追いかけていた。この経験があったからこそ、競争の激しい営業職という仕事にも違和感無くなじめたと感じている。後輩も段々と増えてきたが、いまだに仕事で「まわりに負けたくない!」という『負けず嫌い』精神を発揮することもしばしば。
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