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サービス(レストラン・フードビジネス) / 流通・小売(専門店(食品))
最終更新日: 2007/10/25
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プロの仕事研究
スケール感溢れるフードサービスの魅力に惹かれ、挑戦を続けるマネージメントのプロ。
営業・販売系−スーパーバイザー
滋賀・京都ゾーンマネージャー
弘永 健三郎 (35歳) Kenzaburo Hironaga
入社12年目 / 亜細亜大学 経済学部 出身

プロフィール
秋田の店舗に配属され、調理・接客スタッフを経験後1998年2月、本社人事部に配属。1998年9月より現場に復帰し、1999年、兵庫県伊丹市の新店に店長として配属。2001年には3店を統括するマネージャーに昇進。2005年、6店を統括するゾーンマネージャー、現在は滋賀・京都の12店を統括する。

プロローグ
入社以来10年間で9度の転勤を経験し、北は秋田県能代市から西は山口県光市まで、全国各地で数々の難題に挑んできた弘永だったが、今回のスケジュールはこれまでになくハードなものだった。
滋賀・京都を管轄するゾーンマネージャーとして6店舗を担当しているが、そのうちの4店舗の改装と新たに2店舗の新店を立ち上げるという計画だ。

ゾーンマネージャーの仕事は人事・経理・販促・メニュー開発など多岐にわたる。もちろん、お客さまへ一定レベルの品質とサービスが提供されているかといった総合的なチェックも重要な仕事。担当する店舗の全ての責任がかかっている。

事業予算もかなりの金額に上る。基本的にショッピングセンター内のテナントとはいえ、新店では工事費だけで3000万円を超える店舗もある。保証金や什器、備品、求人などの経費も多大なもの。スタッフも100席程度の店舗で30〜40人ほどが必要となる。しかも、まとめて6店舗となると責任も重大だ。入社当時と違い、弘永は外食産業のスケールの大きさと自らの責任の大きさを実感していた。
しかし、同時に大規模なビジネスを任されたやりがいも感じていた。
「やるしかない」。弘永の挑戦が始まった。

新店2店舗のオープンと4店舗の改装を、日常業務と並行して行うことに。 1
もともと、料理と接客が好きでグルメドール(現:イオンイーハート)に入社した弘永は、現場を走り回ることの方が好きだった。入社してすぐに秋田県の店舗にスタッフとして配属されたが、翌年には千葉県の本社で人事部に配属となった。『自己申告制度』による希望が叶い、今までと違う仕事のやりがいを感じていた弘永だったが、ほどなく営業職への希望を出した。まずは営業として自分自身を磨き、スキルを高めていきたいという思いが強くなっていたのだ。許可が下り、7ヶ月ほどで現場に復帰した時には、嬉しくて仕方がなかった。

そんな弘永だったが、今回のミッションには不安を感じていた。
店長、マネージャー、エリアマネージャーと順調にキャリアアップし、現在はゾーンマネージャーとして滋賀と京都の6店舗を管轄していたが、さらに新店2店舗の開店と既存の4店舗の改装及び業態変更を行わなくてはならないからだ。
ゾーンマネージャーの仕事は、各店の人事から経理、販促やメニュー開発など担当店舗全ての責任を負う。「今、6店舗を1人で見るのも大変なのに並行してそんな業務が出来るのだろうか?」。
弘永はこれまでの仕事のスタイルの変更を余儀なくされた。

自身の仕事のスタイルをレベルアップすることで時間を捻出する。 2
「日常業務の効率化と意思決定のスピードアップを図らなくては・・・」。
これまでどちらかといえば慎重な性格で、上司からも「石橋を叩いて渡る」タイプと評されていた弘永だったが、これからは全てにスピーディーな判断が要求されていることを悟った。
「時間の許す限り熟考する」というスタイルから、「意思決定を迅速にし、なるべく早く次のステップに移る」というスタイルに変更しなければならない。自分の中で「いつまでに、どのレベルまで仕上げるのか?」という区切りを明確にし、その計画通りに実行することを徹底した。

例えば、アルバイトの面接にしても、自身で即断即決してゆく。これまでは保留にしていたような案件もどんどん決裁する。もちろん妥協の判断ではない。悩む時間をなくすだけだ。

それでもトラブルは起こった。アルバイトの欠勤による突発的な人不足や、業態の変更に伴うスタッフのミスも出てきた。こうした些細なトラブルの処理には慣れているはずの弘永だったが、精神的にも肉体的にも厳しい日が続いている中では冷静な判断や状況分析ができない。突然かかってくる業者からの電話では、相手が一体どこの店舗の話をしているのか、分からなくなってしまうようなこともあった。

スケールの大きな仕事を任されるやりがいと喜び。 3
イオングループの外食部門の100%出資子会社であるイオンイーハートは、500店を超える店舗と8000人以上の従業員数を誇る大企業だ。
今回、弘永が任された計画も、ショッピングセンター内のテナントとはいえ、多額の予算が計上されている。例えば新店の「ボンディア洛南店」では工事費だけで約2800万円以上、もちろん保証金や什器、備品、求人などの経費もかかる。他に新店は「四六時中京都五条店」、改装は「グルメドール醍醐店」他3店。スタッフも100席ほどの店舗だと30〜40名ほどでローテーションを組む。1店舗の売り上げは規模にもよるが月に700万円以上。「人・物・予算」の全てを統括し決裁するゾーンマネージャーである弘永の責任と役割はとても大きい。

しかし弘永はこうした数字をプレッシャーに感じるのではなく、むしろやりがいと感じていた。もともと、料理と接客が好きで外食産業に飛び込んだ弘永だったが、店長、マネージャー、ゾーンマネージャーと昇進し、人の育成や売り上げの管理といったビジネスとしてのスケールの大きさに魅力を感じるようになっていた。複数店舗の立ち上げという今回の仕事も「この会社だからこそ出来る醍醐味」と感じることができるほどに成長していたのだ。

困難な計画を乗り越え、目標を達成したことで自身の成長を実感する。 4
苦労した新店もどうにかスケジュール通りにオープンしてゆく。ショッピングセンター内の店舗ゆえ、売り上げは母体の集客に負う部分もあるが、どの店も今のところ計画通りの数字で推移している。

全ての目標を達成し、ようやく弘永が一息つける瞬間だった。真新しい大きな店舗を眺めると達成感と満足感に包まれた。
スタッフの生き生きとした姿と、お客さまの楽しそうな笑顔を見ると、長かったこれまでの苦労も全て吹き飛んでいった。

「限界を超えることで成長できたかもしれない」。
今回、ハードなスケジュールをこなしたことで、弘永は自身の仕事に対するスタイルと意識が一段階ステップアップしたと感じていた。計画力、実行力、情報収集と分析、冷静な判断や状況の分析など、全ての面で以前の自分では対応できなかったことも今では対応できる。精神的にも充実し、スケールの大きな仕事にもこれからは自信を持って取り組める。

「自分は決してスペシャリストではないが、優秀なゼネラリストになりたい」。常々そう考えていた弘永。これからも未知の領域にチャレンジし続けることで成長していきたいと考えている。

エピローグ
現在、弘永は滋賀と京都の12店舗、7業態を担当している。
そんな弘永は外食産業の将来をこう見ている。
「人口構造の変化に伴うシルバー化の波は避けられず、今後は和食などヘルシーメニューの率を高めていくことが必要でしょう。また、高年齢者の雇用にも対応していかなくてはいけません。ショップ内の手軽な業態の多いイオンイーハートですが、今後は団塊の世代のリタイヤに備え“四六時中”など比較的単価の高い店へのシフトも加速されるでしょう」。

巨大なグループシナジーを誇るイオングループにあって、弘永は時代の変化をチャンスと捉えている。変化をいかにビジネスチャンスに転化するか――弘永のチャレンジは続く。
事業部の定例ミーティングにて報告をする弘永。全国に広がる店舗の経営を握るブレーンとして活躍している。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
学生時代はスキー部に所属し、体育会での秩序と精神力を学ぶ。アルバイトでは「吉野家」に4年間勤め、外食と接客の基礎を学んだ。また、大学2回生の時にはアメリカ・ワシントン州の「セントラル・ワシントン・ユニバーシティ」に8ヶ月間留学。グローバルな価値観やチャレンジ精神は、今の仕事に大変役立っている。
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