メーカー(精密機器) / メーカー(半導体・電子・電気部品) / メーカー(機械・工作機械・ロボット)
最終更新日: 2007/10/09
(マークの説明)
日本電産株式会社
準備シート
活動履歴
世界を股に、要求に応える量産体制を構築したHDD用スピンドルモータ開発のプロ。
技術系−機械・機構設計
開発技術部
黒木 昌明
(33歳)
| Masaaki Kuroki
入社8年目 / 大阪府立大学大学院 工学部 航空宇宙工学科 出身
2001年4月入社。海外研修の一環として、フィリピン工場へ出向。量産ラインの管理補助業務に従事する。帰国後は、HDD用スピンドルモータの評価担当を経験。入社3年目から設計担当として活躍した後、セールスエンジニアとしてアメリカ拠点へ。2007年8月に帰国し、現在は再び設計担当として活躍している。
「回るもの、動くもの」の全てに関わる、総合駆動技術の世界No.1メーカーを目指している日本電産株式会社。IT分野をはじめ、家電製品、自動車、OA機器、産業機器など、あらゆる分野で同社の製品が用いられており、中でも、PCなどに搭載されるHDD用スピンドルモータ(SPM)は、世界シェア70%を誇っている。
業界内では世界中にその名が知れ渡っている同社だが、就職活動を始めた頃の黒木は、まったくその存在を知らなかった。普段の生活の中で同社の製品を目にする機会が少なかったからだ。それでも黒木は、多くの友人たちが入社を希望する自動車メーカーや家電メーカーなどの大手最終消費財メーカーには興味を示さず、偶然、見つけた同社のセミナーに足を運んだ。「完成された大手企業で働くよりも、勢いのある会社で早くから責任のある仕事に携わりたい」。そう考えていた黒木の目に、同社は理想的な環境に映った。「早くから仕事を任せる。海外で活躍するチャンスもある」。採用担当者のその言葉通り、黒木は入社早々、フィリピン工場で働くことになったのである。
求めたのは、早くから責任のある仕事が任される環境。入社早々、フィリピンに渡った。
フィリピン工場への赴任。それは、海外研修の一環として社員全員に与えられたチャンス。黒木は、自ら手を挙げ、このチャンスを掴んでいた。そして半年間、HDD用SPMの製造拠点であるフィリピン工場に勤務し、量産ラインの管理補助業務に携わった。量産ラインでは、1日1万台以上のモータが製造されていた。黒木の仕事は、可能な限り不良品発生率をゼロに近づけること。そのために、不具合が生じる工程で、部品を選定し、改良を加えていくのだ。新入社員でありながら、利益に直結する責任のある仕事を任されたのである。また、国内外の様々な部署から出張で訪れた社員と積極的に交流を図り、人脈を広げていった黒木。フィリピン工場での半年間を通じて、一回りも二回りも大きく成長したのであった。
帰国後は開発技術部に配属となり、HDD用SPMの評価業務を担当。さらに1年3ヶ月後には設計担当に抜擢され、国内のHDDメーカー向けにSPMの設計を手がけた。第一線で活躍するエンジニアに成長した黒木であったが、いつしかより刺激的な環境を求めるようになっていった。
より刺激的な環境を求めてアメリカへ。セールスエンジニアとして活躍する。
2004年2月、黒木はアメリカ拠点に赴任するチャンスを聞きつけた。海外HDDメーカーの専任セールスエンジニアとして、日本電産を代表してアメリカに駐在するのだ。設計担当から、営業的要素の強いセールスエンジニアへ。仕事内容は大きく変わることになるが、黒木は迷わず希望を出した。任期は、3年間。セールスエンジニアの役割は、営業担当では理解しきれない技術的な折衝をHDDメーカーと行なうこと。HDDメーカーが求めるSPMへの要求を理解した上で、日本電産の国内開発拠点に報告し、課題解決に向けた提案をするのだ。
黒木が担当となったメーカーでは、サーバー用HDDを開発している最中であった。日本電産に求められたのは、SPMの信頼性の向上。サーバー用HDDには、何よりも安定性が求められるためだ。黒木の使命は、モータの品質向上のためにアメリカと日本の間を取り持つこと。日本電産ではモータの軸受部分にボールベアリングではなく、流体(オイル)を用いる技術を採用している。この技術は高い耐衝撃性を持つだけでなく、回転精度が高まることでHDDの大容量化が可能となる。しかし、ミクロン単位でのモータの設計が求められる上、オイルが蒸発しないように特殊な加工を施すなど開発難易度は高い。アメリカと日本国内の開発拠点をつなぐ黒木にも、高い専門性が求められた。
HDDメーカーによる量産ラインの監査に帯同。大きな失敗を経験する。
また、今回のサーバー用HDD向けSPMの生産拠点は、日本電産フィリピン工場に決まった。そのため、量産体制を構築するためのフィリピン工場との調整も黒木の担当だ。課題は、フィリピン工場の監査に合格すること。サーバー用HDDに求められる信頼性を支えるため、高品質のSPMの生産体制構築が求められていたのだ。
監査に合格するために、製造体制、品質管理体制、製品出荷体制、フィリピン現地社員の教育体制など、黒木は膨大な数の資料を作成しなければならなかった。しかしアメリカにいながら、日本、フィリピンとやり取りを行なっていたため、順調には進まない。フィリピン工場では、既存量産ラインも稼動しており、並行して新たな量産ラインの準備を進めなければならないのだ。こうした要因によって、黒木は監査に向けた準備が不十分なまま監査当日を迎えてしまった。「現状のままでは、とても合格とは言えません。次の監査までに、きちんと体制を整えていただけますか」。案の定、監査を終えたHDDメーカーの担当者からは厳しい言葉が返ってきた。監査前日の夜中まで資料作成に追われた黒木であったが、準備・調整不足を露呈しただけであった。
リベンジに挑んだ2度目の監査。課題は運用システムの構築にあった。
「信頼を回復するためにも、もう失敗は許されない」。大きな痛手を負った黒木であったが、気を引き締め直した。工場長を交えて反省会を実施し、徹底的に改善点を洗い出した。一番の課題は、不良品発生率を抑えるための工場運用方法の策定である。不良品の発生原因は、材料品質のバラツキなど様々ある。こうした問題が見つかった場合の各部門の対応方法など、重要事項を一つひとつ決定していくのだ。週1回の電話会議を欠かすことなく、黒木は準備を進めた。
迎えた2度目の監査。黒木はもちろん、工場長をはじめオペレーター全員がどのような質問にも答えられるようにしていた。生産体制を取り巻く環境の変化や人材の入れ替わりなど、あらゆる事態を想定した運用方法を構築しておいた。「今回こそは、合格するはずだ」。監査に帯同した丸2日間、常に緊張状態にあった黒木。いよいよ監査の結果が伝えられるときがきた。
「OKです。製造体制も、品質管理体制も本当に素晴らしい」。監査終了後、担当者からそう声を掛けられた黒木は、全身から力が抜けていく感覚を覚えた。
無事、量産ラインの立ち上げに成功した黒木は、その量産ラインで1日1万台以上のモータが製造されていく様子を眺めながら、大きな達成感で満たされていた。そしてその後、3年間の任期を終え帰国した黒木は、再び設計担当として働くこととなった。
その際にも、アメリカ拠点で働いた経験は、大きな財産となっていた。営業的要素の強いセールスエンジニアとしてお客様との折衝を経験したことで、より深くお客様の要求を理解できるようになり、また、量産ライン立ち上げに携わったことで、より製造現場を意識しながら設計業務に取り組むことができるようになったのだ。黒木は現在、幅広い視野を持って設計業務に取り組んでいる。
世界を舞台に活躍するには、語学力も必要。何より大切なのは、臆することなく積極的にコミュニケーションを図ることである。
バレーボール部に所属していた学生時代。試合に勝つためには、地道な練習を積み重ねることが大切であり、どんなに苦しくてもやり遂げる強い意志が必要なことを学んだ。その頃に、「自分の最終目標は何か」をしっかりと見つめ、挫けずに努力を続ける姿勢を身につけていたことが、社会人になってからも活かされた。
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準備シート
活動履歴
日本電産株式会社
【理系】
1位
/
トウアバルブグループ(東亜バルブ株式会社、東亜エンジニアリング株式会社)
2位
/
デジタルアーツ株式会社
3位
/
株式会社コスメディア
4位
/
株式会社イング
5位
/
JTBグループ
【文系】
1位
/
大河通商株式会社
2位
/
株式会社大黒屋
3位
/
平田ネジ株式会社
4位
/
村田機械株式会社
5位
/
住友信託銀行株式会社
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