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流通・小売(専門店(カメラ・OA機器・電気製品)) / メーカー(コンピュータ・通信機器・ゲーム機器) / メーカー(家電・AV機器)
最終更新日: 2007/12/06
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プロの仕事研究
誰にも妥協しない姿勢で店舗規律の改善を成功させたPC販売店オペレーションのプロ。
営業・販売系−販売スタッフ・サービス
PCDEPOT 新横浜グレートセンター店 サブマネージャー
吉澤 綾子 (29歳) Ayako Yoshizawa
入社7年目 / 亜細亜大学 経営学部 経営学科 出身

プロフィール
学生時代におもちゃの販売員のアルバイトを経験。凝り性の性格も手伝って、一つのことを究める専門店の販売員という職業の楽しさに目覚め、ピーシーデポコーポレーションへの入社を決意。入社6ヶ月後の2002年10月にはオペレーションマスターに昇進。現在、新横浜GC店にてサブマネージャーとして腕を振るう。

プロローグ
「お金をもらっているのに、仕事に真剣に取り組まないなんて信じられない」――パソコン用品専門店『PCDEPOT新横浜グレートセンター店』の若きサブマネージャーとして、店舗規律の改善に尽くす吉澤の胸にいつもある、まっすぐな思い。この思いとともに歩む吉澤にとって、社長賞を受賞したことは一つの通過点でしかない。「自分を偽ることなく、正しいと思ったことを貫く」。華奢な外見からは想像もつかない、強い正義感と信念。吉澤は、自分の思いにただ忠実に、自然に振舞っているだけなのだ。しかし、この当然のことすらできない自分に落ち込んだ日々もあった。

吉澤の職場であるPCDEPOT新横浜グレートセンター店には30名近い従業員がいる。吉澤は立場的には店長、副店長に次ぐナンバー3の重職についているが、年齢的には丁度真ん中あたり。年上に指示を出すこともある。そんな環境の中、いくら勝気な性格とはいえ、吉澤が自ら店舗の規律を正していくことは、並大抵のことではない。「このまま自分が動かなくても、営業は出来てしまうのだから……」。だが、そんな考えも、一人のお客様によって変えざるを得なくなった――。

店舗規律の管理という、新たなミッション。 1
大学時代、週に3回はライブに通っていた。吉澤の根底にはロックがある。それは、今ある体制に流されず、自分の信じる道を突き進むという、自由かつ確固たる信念。そんな吉澤が、専門店での販売員を目指す過程で、当時創業5年目という、若く勢いのあるピーシーデポコーポレーションに入社を決意したのも、至極自然な流れだった。

2002年の入社以来、東名川崎店、大和店、日吉GC店、新横浜GC店とオペレーション一筋で走り続けた。オペレーション業務とは、販売店の現場における販売・在庫管理・人員管理といった、実際にお客様との窓口となる業務である。専門店での販売という学生時代からの希望を叶えた吉澤は、入社6ヶ月後にはオペレーションマスターに昇進していた。

オペレーションマスターとして、新たに吉澤に課せられたミッションは“店舗規律の管理”。それは、従業員の管理という、今まで吉澤が経験したことのない職務だった。店舗全体の規律を管理しなくてはならない以上、当然上司や年上のスタッフにも意見をしなくてはならない。むしろ、それこそが重要といえる。だが、吉澤は気の強い性格ではあったが、なかなか自分の意見を人に押し出していくことに慣れていなかった。言いたいことを言えない――もどかしい日々が続いた。

もどかしい自分を象徴する出来事。 2
吉澤一人が悩みを押し殺していても、日常の業務は平然とこなされていってしまう。矛盾を感じつつも、時にはそんな日常に流されてしまう自分がいた。「とても、自分からは言い出せない……」。思い悩んだ末、吉澤は本部の人間であるリージョンマネージャーに相談した。だが、吉澤の甘えは「上から言うのは簡単なことだけれど、それだけでは現場は変わっていかない。吉澤さんから変えていかなくちゃ駄目だよ」という一言に一蹴される。そして、現在の店舗である新横浜GC店に赴任した2005年の7月。吉澤にとって、象徴的な出来事が起こる。

いつものようにレジや在庫管理に追われる吉澤に、一人の高齢者が話しかけた。「店頭にあると表示されているのにも関わらず、在庫がないとはどういうことだ」。吉澤にとってそれは、まさに寝耳に水の話だった。「そんなはずはない……」。急いで確認するも、やはりその商品は届いていない。「30分もかけて歩いてきたんだぞ」というそのお客様の怒りはもっともだった。

その場はひたすら謝罪することで事なきを得たが、事件の原因は予想外のものだった。本部のプログラムミスによって、吉澤の発注がメーカーに届いていなかったのである。「やはり、自分が動かなければ……。何より、こんな思いは二度としたくはない」。吉澤は、ついに思いの丈を本社に宛ててメールした。

「あなたたちが主役です」。社長の一言に奮起。 3
さらに、そんな吉澤に決定的な転機が訪れたのは、2006年の8月のことだった。全店舗から店長、オペレーションマスターが一同に会し、2泊3日の社員研修合宿が開かれた。70名ほどの社員の前で、社長は1日かけて語った。「君たちが、一人ひとり向上心をもって仕事をし、少しでもより良い店舗作りをしようという意識をもつことが何より重要なことなんです。その為には、自分が正しいと思うこと、見ていて改善しなければならないと思ったことに対しては、相手がたとえ本部の人間や、直属の上司、目上のアルバイトであったとしても、自分が責任をもってやり遂げなくてはなりません」。

それはまさに、今まで吉澤が感じていた思いであった。会社として、トップの人間が自分の思いを後押ししてくれている。店舗内の身近な人間関係に囚われて、つねにもどかしさを感じていた吉澤は、自分がピーシーデポコーポレーションの社員として何をなすべきか、その本意に気付いた。

生まれ変わった自分で、信じた道を突き進む。 4
「これからは、ビシビシいくからね。目にあまるようなら、社長に報告します」。合宿以降、吉澤は積極的に店舗規律のチェックに目を光らせた。「自分の信じる道を行くしかない」。30人近い従業員が働く店舗をまとめあげるには、自分自身が手本となるように行動するのみ。そんな吉澤の姿を見て、かつての吉澤のように“もどかしさは感じているのにどう表現すればいいのか分からない”という若い社員やアルバイトたちが、相談をしてくるようになった。

中には自己中心的とも言える意見もあったが、彼らの意見を総合して最適化してゆくのも自分の仕事だという責任感が、吉澤を突き動かし続けた。気付いた点をまとめて、毎週本部にメールをした。「自分が変わり、積極的に動いていかなければ何も変わりはしないのだ」。吉澤は改めて、オペレーションマスターとしての立場を自覚した。

2006年秋――吉澤のもとに、社長賞の受賞を知らせる一報が届いた。店舗から発信された改革ののろしは、しっかりと会社全体に伝わっていたのだ。自分の進むべき道を見つけた吉澤を、お客様からの、そして従業員からの「ありがとう」という声が後押しした。

エピローグ
「従業員の中にはこのアルバイトだけで生活している人もいるし、歩いて30分かけて来店されるお客様もいる。自分が言いたいことを言わないことで、そんな人たちの期待を裏切る訳にはいかない」――吉澤の責任感の強さは、社会人として失ってはいけない宝である。無論、時には上手くいかないこともある。けれど、もう悩むことはない。そのきっかけとなったお客様は、今では常連のお客様である。

元来凝り性という吉澤。「まだまだ、良くしていかなければならないところは一杯あるんです」。そう言いつつも、吉澤の表情には充実感が漲っている。引っ込み思案な女の子だった面影は、もはや過去のもの。そこには、一人の改革者がいた。
アルバイトにも丁寧なアドバイスを欠かさない。注意するだけでなく、きちんと意見を聞いてくれる吉澤に従業員も信頼を寄せる。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学2年生の時に、大学のプログラムの中で半年間アメリカに留学していた。もともと自分の意見を他人に伝えることが苦手だった吉澤だが、ルームメイトのアメリカ人が社交的な性格だったため、共同生活を通して、自分の意見をしっかりと言う勇気を得ることができた。おかげで、上司に対して意見を述べることにも抵抗はない。
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