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金融(地方銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫)
最終更新日: 2007/10/01
(マークの説明) 正社員 理文不問 老舗
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プロの仕事研究
お客さまの不安を解消し、同じ目線で資産運用のアドバイスをする渉外のプロ。
営業・販売系−営業(個人・ルートセールスが中心)
営業店/主任
古舘 真弓 (40歳) Mayumi Furudate
入社22年目

プロフィール
地域に密着して、幅広い仕事のできる信用金庫の業務に惹かれて入庫。預金係の後方事務や窓口業務に携わる。1994年4月から、『年金アドバイザー』としてお客さまの年金相談に応じる。再び窓口業務を経験した後、2004年4月から『金融資産運用アドバイザー』として、個人のお客さまを中心に金融商品を提案している。

プロローグ
「古舘さんのおかげで、年金の不安がなくなったわ。本当にありがとう」。

1994年4月、玄関で見送るお客さまの声を背に、古舘は自転車に足をかけた。「またおじゃましますね」と振り返りながら、ペダルをこいで次のお客さまのもとへ向かう。『年金アドバイザー』はお客さまからの複雑な年金相談に応じる仕事であり、時にはこちらからお客さまを訪問することもある。最初は戸惑いもあったが、お客さまの喜びの声を聞くにつれて、「お客さまを訪問するのは楽しい」と魅力を感じるようになっていった。

「お金をお預りしているお客さまと接する、幅広い仕事ができる」。
古舘が埼玉縣信用金庫に入庫したのは、『人と接する仕事』に魅力を感じたからだ。入庫以来、窓口で『迅速で正確なサービス』を心がけて仕事を進める中、入庫8年目に任されたのが『年金アドバイザー』としてお客さまの年金相談に応じる業務。お客さまを『待つ』だけではなく、自分からお客さまを『訪問』する機会もあり、外に出て行う渉外業務のおもしろさを覚えた。2年後、再び窓口業務に戻ってからも、この時覚えた気持ちは色あせることはなかった。

そして、2004年4月。再びチャンスが巡ってきた――

『金融資産運用アドバイザー』として、新たな道を歩み出す。 1
「私が、『金融資産運用アドバイザー』か…」。

2004年4月、真新しい名刺を見ながら、古舘は一人つぶやいていた。時代のキーワードは、『貯蓄から投資へ』。つまり、個人の資産を『貯める』のではなく、株式投資などの金融商品で『運用する』こと。だが、金融商品の多くは元本が保証されていない。つまり、預けた金額が減ってしまう『リスク』が発生する。そのため、金融商品の特徴を説明する渉外担当が求められていた。埼玉縣信用金庫でも時代の流れに応じて、社内体制を変えつつあった。そこで選ばれたのが古舘だった。

「また自分から、お客さまを訪問できるんだ」。
年金アドバイザーとしてお客さまを訪問して回った経験が、古舘の中で鮮やかによみがえってきた。新しく任された『金融資産運用アドバイザー』としての渉外業務に興味を抱きながら、心配もあった。年金についてはお客さまも不安に感じて、古舘の訪問を快く迎えてくれた。だが、『金融商品』は、必ずしもお客さまが興味を持っている訳ではない。「きちんと話を聞いてもらえるのだろうか」。

何度訪問しても、お客さまの『心』の扉を開けることができない。 2
「こんにちは。資産運用の件で、お伺いしました」。

「うちはいいわ。ごめんなさいね」。ドアフォン越しにも、興味を持っていない空気を感じた。「また、参ります」。帰り際、お客さまのお宅を見上げながら、「どうして話を聞いてみないで結論を出してしまうのかしら」と考えてしまった。既にお取引のあるお客さまを訪問し、資産運用の提案をするのだが、『資産運用』という響きだけで話も聞いてもらえない日々が続いた。中には、話を聞いてくれるお客さまもいたが――

「君は、本当にこの金融商品がいいと思うのか?」。
アドバイザーに任命されて数日が経過したある日、ようやく提案を聞いてもらえたお客さまからの詰問に、古舘は何も言葉を返せなかった。一口に金融商品といっても、円預金に外貨預金、投資信託、個人年金保険など幅広く、それぞれに特徴もリスクも違う。また、金利やリスクは経済動向と連動するため、経済情勢も語れなければならない。古舘は任された仕事の専門性の高さを痛感していた。

初めて親近感を覚えたお客さまの隣には、金融のプロがいた。 3
「こんにちは、今日は何の御用でしょうか?」。

6月。窓口で順番待ちをするお客さまに声をかける古舘の姿があった。「窓口に来るということは、金融商品の話を聞く準備ができているはず」。そこから資産運用のニーズを探ろうと考えたのだ。ある日、「定期預金が満期になった」という年配の女性に出会った。「他の商品も検討されてみては? 年金代わりになる商品もありますよ」 「そうなの?」。古舘の考えは当たり、親近感を持って接することができた。話を伺うと、『リスク』が不安で金融商品に手が出せなかったという。「でも、ずっと下がり続けることも、ずっと上がり続けることもないんです。少額から始めてみませんか?」。古舘の話に興味を持ち、翌週、ご自宅を訪問することになった。「うちのお父さん、うるさいから気をつけてね」と、気になる言葉を残してお客さまは帰られた。

「個人年金保険? もっと期間の短い投資信託があるだろう?」。
訪問した古舘に対して、ご主人は問いかけた。古舘が奥様に勧めたのは外貨建の個人年金保険。だが、ご主人はもっと短期に運用できる商品がいいと考えていた。実はご主人は20年以上の株式投資経験を持つ『プロ』だったのだ。古舘は一気に緊張したが、「では、不動産投資信託はいかがですか?」と、ひるまず商品を案内した。

金融の初心者とプロ、双方の不安とニーズを解消する提案。 4
「不動産投資信託?」 「はい、社会的にも注目されています」。

古舘は自信を持って答えた。金融資産運用アドバイザーに任命されてからの2ヶ月間、経済新聞を読みあさり、渉外の先輩について営業手法を学んできた。積み重ねてきた経験と知識が古舘を支えていた。「ご主人の場合、株式と異なる不動産を始めることで分散投資になり、リスクも減らせます。奥様は、初めてですのでご主人に教わりながら株式投資信託を始められては?」。ご主人も納得し、奥様も安心された。そして翌週、奥様から株式投資信託の、ご主人から不動産投資信託の契約をいただくことができたのだ。

「奥様、日経平均だけは毎日見てくださいね」。
金融商品は売って終わりではない。市場動向にあわせて揺れ動くお客さまの心理のフォローが大切だ。契約後は、奥様を中心に2週間に一回は訪問して株価動向などを説明した。地震のニュースがあれば、ご主人の不動産投資信託への影響を調べて報告。「予想以上の下げ幅ですが、上がるのを待つか、他の運用商品に投資することでリスクを分散するのも手です」。そこにはお客さまへの想いを持ち、真摯に対応する古舘の姿があった。

数ヶ月後―― 「古舘さんのおかげで老後の楽しみが増えたわ。それでね、話をしたらぜひ子どもたちもやってみたいというのよ」 「本当ですか!」。古舘の堅実な仕事が、また新たなお客さまとの出会いを生み出したのだった。

エピローグ
「『資産を運用してみたい』と思っても、一歩踏み出せないお客さまもたくさんいると思うんです。そうしたお客さまの希望を掴んで、その見方や考え方を少しだけ変えていく。それがこの『金融資産運用アドバイザー』という仕事だと思います」と語る古舘。自身も、モノの見方や考え方が変わったという。

「例えば、中国の人口増がニュースになっていますが、その人たちが全員化粧を始めたら化粧品会社の株価が上がるのかな?とか。それまで見逃していたたくさんのモノが意味を持つようになって、おもしろいですよ。こういう仕事を、後輩に広げていきたいですね」と語る。お客さまとの出会いを楽しみにしながら、古舘は今日も自転車で街を走っている。
「窓口業務と違って、自分からお客さまに声をかけていけることが渉外業務の魅力。一歩踏み出す勇気さえあれば、大丈夫です」。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
学生時代、バレーボール部で体力や忍耐力が鍛えられたという。「毎日順調に契約に結びつくということはまずありませんので、常に試行錯誤を繰り返しながら前向きに仕事に取り組んでいます。外に出る仕事ですので体力的な面もありますが、それよりも忍耐力の方が活きているかもしれませんね」。
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