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商社(専門商社(アパレル・ファッション)) / メーカー(ファッション・アパレル・繊維) / 流通・小売(専門店(インテリア・服飾小物))
最終更新日: 2007/12/27
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(マークの説明) 正社員 理文不問
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プロの仕事研究
オーナーと共に、店舗売上を向上させる新規開拓営業のプロ。
営業・販売系−営業(個人・新規開拓が中心)
グロリア株式会社 大阪店 ファッションアクセサリー部門/主任
瀧口 知弘 (31歳) Tomohiro Takiguchi
入社9年目 / 近畿大学 商経学部 経営学科 出身

プロフィール
2000年の入社後、営業としてホームファッション部門に配属された。同部署では、エプロン・パジャマなどのハウスウェアと生活雑貨を販売。その後、カジュアルインテリア部門へ異動し、2004年には主任へ昇格した。現在はファッションアクセサリー部門の主任として、部下の教育にあたっている。

プロローグ
「忙しいから、帰ってちょうだい」。

新規開拓のため婦人服販売店を訪れた瀧口だが、店主から返ってきたのは厳しい言葉だった。「はい・・・すいません」。おずおずと店を後にする瀧口。「このままでやっていけるのかなぁ」。入社から5ヶ月が過ぎても、成果を残せない自分に焦りを感じていた――。

ファッションに興味のあった瀧口は、アパレル業界の会社を中心に就職活動を行なった。そして、入社したのがアドヴェンチャーグループ内のグロリア株式会社。服飾雑貨・生活雑貨を扱う会社だ。入社後、瀧口は営業としてホームファッション部門に配属された。この部門は、エプロン・パジャマ・リゾートウェアなどのハウスウェアや、タオル・カーテン・収納グッズ・軽家具などの雑貨類を担当している。小売ではなく卸販売なので、量販店や専門店が主な営業対象となる。また、ドラッグストアや100円ショップも貴重な顧客だ。豊富なアイテムや価格帯を揃えているグロリアは、営業対象が広いのだ。「既存を大切にしつつも、果敢に新たな販路を開拓する」。営業にとって、新規顧客の開拓は会社・グループ全体の成長につながる重要な仕事であった。

気持ちを軽くしてくれた、上司の言葉。 1
「このままでやっていけるのだろうか」。

入社から5ヶ月。新規営業をしても、お客様に話を聞いてもらえない状況に瀧口は焦っていた。「いつも緊張してしまう」。断られることへ恐怖を感じるまでになっていた瀧口。30分も店の前で入店をためらったことがあった。売上目標は新規開拓をしないと達成できない。瀧口は既存顧客をまわる合間をぬって、新規開拓を行なった。しかし、結果が出ない。焦る瀧口だが、ある日転機が訪れた。

「このままでは帰れない」。名古屋に出張して既存顧客をまわっていた瀧口は、思うような注文をもらうことができずにいた。わざわざ出張してきた手前、売上を確保するまで帰れない。そこで、瀧口は現地で新規開拓を試みることにした。さっそく上司に連絡し、出張を1日延ばしてもらうための交渉をすると、話の末に「よし、わかった。お前の好きなようにやってみろ」という言葉が返ってきた。「信頼してくれているんだ・・・」。翌日、新規開拓に挑む瀧口の足取りは軽かった。「期待に応えなければ」。そう思えば、新規開拓への恐怖心が薄らいだのだ。その出来事をきっかけに、彼は徐々に新規開拓への苦手意識を克服していった。そして、入社2年目を迎える頃には、新規の顧客を獲得するまでになった。

断られることから、新規営業は始まる。 2
「取引のできそうなお店はないかな」。

お得意先との商談の帰り道、瀧口は駅前にある商店街を歩いていた。「やっぱり、主婦が多いな」。商店街だけに、夕飯の食材を買いに来た主婦が多い。頭の中で、主婦層を対象にした商品をピックアップする瀧口。まだ見ぬお客様への提案をイメージしていた。「おっ、あそこはどうだろう」。瀧口は雑貨店を発見した。さっそく店内に入り、商品ラインナップ・価格帯を確認する。提案する商品は、既存の商品との兼ね合いを考えて選定する必要があるからだ。「雑貨以外に、洋服も置いてあるんだ」。全ての商品に目を通した瀧口は、店主らしき男性に声を掛けた。

「ごめんな。仕入先は間に合っているから」。瀧口の営業を、断わる店主。丁寧な言葉には、有無を言わせぬ威圧感があった。「これ以上、粘っても駄目だな」。二言、三言を交わしただけで、あっさりと店を後にした。だが、彼はあきらめたわけではない。「さて、2回目の時はどうやって訪問したらいいかな」。本番は、これからだと感じていた。

雑貨店に、エプロン。 3
「すいません。また来ちゃいました」。

翌週、瀧口はもう一度雑貨店を訪問した。「また来たのか。間に合っていると言ったじゃないか」。店主は眉をひそめた。「損はさせません。お店の売上は上がりますよ」。瀧口は、今度は引き下がらない。店主に取引のメリットをアピールしていった。「・・・わかった。そんなに言うなら話だけでも聞こう」。食い下がる瀧口に、店主は耳を傾けた。

「エプロン? 本当に売れるのか?」。瀧口の提案に、店主が聞き返した。「大丈夫です。主婦層に安価のエプロンは売れます」。エプロンを店頭に並べて、店内にお客様を引き込むことが瀧口の狙いであった。「店内に入るお客様が増えれば他の雑貨も売れますよ」。熱く提案する瀧口に、店主は「わかった。任すよ。まず、エプロンだけだよ」と答えたのであった。

さっそく、瀧口は支払い方法、掛け率(仕入値)など、様々な条件を店主と交渉した。「販売数はこれぐらいだな」。商品は全て店主に買い取ってもらう。つまり、売れ残れば雑貨店に損をさせてしまうことになるのだ。「損はさせないと約束したんだ。絶対にお店の売上を上げてみせる」。自信を持って提案してきた瀧口だが、人知れずプレッシャーと闘っていた。

瀧口くんだから、取引したんだよ。 4
雑貨店に卸されたエプロンは、瀧口の狙い通りに主婦層の好評を得た。「来客数も、売上も増えたよ」。エプロンを卸した翌月、瀧口が雑貨店を訪ねると店主は満足気であった。「ねっ、僕の言った通りでしょ。どうです? 他の商品も仕入れませんか?」。瀧口はエプロン販売の成功をきっかけに、他の商品も提案していった。それは雑貨類だけではなく、他部門が扱う婦人服にまで及んだ。「他の部門の商品が売れても、瀧口くんの売上にはならないんだろ? いいのか?」 「確かに、僕の売上にはならないですよ。でも、一番大切なのは、お店の売上を上げること。その代わり、長くウチと取引してくださいね」。瀧口の扱う商品は、決して単価が高いわけではない。それゆえに、長期にわたって取引を続けてもらうことが重要なのだ。

初めて雑貨店を訪問してから半年の間、雑貨店の売上は伸び続けた。そんなある日。瀧口は商談後に「何で、取引をしてくれたんですか?」と何気なく店主に質問した。「瀧口くんだから取引したんだよ。一生懸命にウチのことを考えてくれたから」と答える店主。「最初は『誰だ』って怪しんでいたんだけどね。でも、本当に瀧口くんが来てくれて良かったよ」。店主からの言葉に、瀧口の胸に熱いものがこみ上げてきた――。

エピローグ
「オーナーの方と一緒に試行錯誤してお店を盛り立てるからこそ、信頼関係が生まれるんです」。新規開拓の醍醐味を知った瀧口。最初は苦手意識がなかなか抜けなかった新規開拓だが、今ではゼロからお客様の信頼を築いていくことに喜びを見出している。

「この喜びを、より多くの部下に知ってもらいたいですね」。現在、瀧口は主任として部下に自らのノウハウを伝えている。「主任となっても、根本的な部分は変わりません。今でもオーナーさんやバイヤーさんとのやり取りを楽しんでいます」。会社と会社との結び付きだけではなく、人と人との結び付きを得られることが楽しい――瀧口は、今日も新たなお客様との出会いを探している。
営業はお客様から得た業界情報や要望をもとに商品企画を立案することもある。瀧口自身、今までに幾つもの新商品を実現してきた。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
瀧口は学生時代、僅かな金銭を頼りにヨーロッパ7ヵ国を周遊した。ギリシア、イタリア、スイスなど、言葉もろくに通じない異国の地。トラブルにあっても、助けを求めることはできない。瀧口はトラブルにあった時ほど冷静になり、危機に対処していった。それらの経験は現在、お客様からの相談に乗る上で活かされている。
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