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メーカー(精密機器) / 情報・通信(情報処理サービス) / メーカー(半導体・電子・電気部品)
最終更新日: 2007/10/01
(マークの説明) 正社員 理文不問 No.1 株式公開
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プロの仕事研究
“コピー機メーカー”に留まらないリコーの可能性を広く認知させた販売促進のプロ。
事務系−販売促進
販売事業本部 ソリューションマーケティングセンター
近藤 理沙 Risa Kondo
入社9年目 / 北海道大学 経済学部 経営学科 出身

プロフィール
採用センターや大学のOBに接し、「女性としてやりがいを持って働ける環境」という印象を受けて入社。営業支援としてソリューション提案業務を経験し、商品の発売準備及び販売戦略などを担当する。2004年より、製造業のお客様向けにソリューション展開を推進。販売促進・マーケティングに携わり、現在に至る。

プロローグ
2005年6月、製造業向けに開催された大規模な展示会に出展することになったリコー。その主管を務めていた近藤は、いつも以上に声を張り上げた。「アンケートにご協力をお願いします!」。だが客足は思うように伸びず、展示会第1日目の段階で、アンケートの回収件数は500件足らず。3日間で2000件を目標としていた近藤は、焦る気持ちを必死に押しとどめた。そしてさらに、大きな声で呼びかける──。

リコーは、デジタル複写機や、プリンター機器などの製造・販売を行うOA機器総合メーカー。約70年の歴史の中で、オフィス機器のネットワーク化・デジタル化へと事業を拡大してきた。現在は製品に文書管理などの機能を付随し、オフィス環境のトータルソリューションを進めている。その中で近藤は、製造業のお客様向けのソリューション商品や、技術文書の入出力機器を拡販するためのマーケティング業務を担当していた。そんな近藤の前に立ち塞がったのは、市場に根強く残る『リコーといえばコピー機』の壁。「リコーのソリューション事業をもっと広めたい…!」。近藤の思いは、ある大きなイベントに託されていく。

製造業向けに開催される大規模なイベントの主管を務めることに 1
2005年3月。リコーは約3ヵ月後に大規模なイベントを控えていた。このイベントは、国内の製造業における技術部門のお客様をターゲットに、約200社の出展企業が新商品やサービスの紹介などを行うもの。3日間で約6〜7万人の来場者が見込まれ、リコーにとっても新規顧客の開拓や販売戦略の立案において絶好の機会となることは言うまでもなかった。そんな“失敗できない”イベントを担当するのは、近藤が所属する製造ソリューショングループ。そして全体を統括する主管に任命されたのは、前部署でマーケティングや販促経験があった近藤だった。

「荷が重過ぎる…」。それまでも200人規模の自社主催イベントを企画したことはあった。しかし今回は、来場者・自社スタッフの数、展示会に使う予算の全てが桁違いに大きい。プレッシャーが近藤の肩に重くのし掛かった。とはいえ、大きなミッションに取り組むことは、自分の経験値を上げることにもつながる。不安と微々たる期待をもって、イベント準備に取り掛かった。

目的は、リコーの事業の可能性を広く認知させること 2
「何を狙って、どんなブースにすればいいか見当がつかない…」。まずはイベントの企画書づくりを行うが、関連部署が多岐にわたるために、一人では一概に決められない部分が多々あった。上司や先輩に意見を仰ぎ、イベントの目的を一つに絞った。それは、「製造業顧客に対するリコーの製造業向けソリューションプロバイダーとしての認知度を向上させる」こと。

そもそもリコーは複写機を中心としたOA機器を扱っていた。市場にはそのイメージが浸透しているため、数年前より始めたソリューション事業の知名度は高くない。しかしながら“自身も製造業”という強みを活かし、社内で業務のシステム化や業務フローの改定に取り組み(社内実践)、そのノウハウをソリューションとして他社にも積極的に提供しているリコー。イベントの目的は、ソリューション事業を紹介し、もっとリコーの可能性を広く認知させることに決定したのだ。これまでマーケティングに関わってきた近藤自身も、お客様のイメージを一新させるためにイベントが有効であると理解していた。大きな責任を感じつつ、目的にそって企画書を仕上げていく。途中、ブースの形やレイアウト、人員などを決める際にも、多くの意見がメンバーから出されたが、常に目的に立ち返り企画を練り上げていった。

スケジュール通りに進まない…不安とプレッシャーの中、管理の強化を図る 3
イベントまで残り1ヵ月半。近藤は、運営マニュアルや展示会のパネル作成、デモ機のセットアップなど、多くの準備に追われていた。しかもその表情はいつになく硬い。「納期に間に合わないのでは…?」。やるべきことが、全くスケジュール通りに進んでいなかった。近藤は主管であっても、運営メンバーの中では最も年下。さらに他のメンバーは、イベント準備以外にも多くの業務をこなし、多忙を極めていた。そんな事情から思うようにスケジュール調整ができず、遅れが生じていたのだ。

「リコーの認知度を上げる絶好の機会を、絶対にムダにしたくはない」。不安とプレッシャーが混在した思いが、近藤を新たな行動に駆り立てた。まずは自分のやるべきことを納期通りに行い、他のメンバーにとって見本となるものを提示した。また、共通システムにあらかじめリストを作り、業務が完了した人からチェックを入れるという“見える管理”を実施。業務が終わっていない人は、リストを見れば一目瞭然。プレッシャーを与えることで、納期を意識させたのだ。そんな近藤の姿に、次第にメンバーは信頼を寄せていく。そして準備はスムーズに進んでいった。

イベントを通じて、新規顧客開拓のきっかけを作った 4
6月末。ついにイベント当日が訪れ、近藤らに、『開催日3日間でアンケート回収数2000件』という目標が下ろされた。近藤はお客様の動きをシミュレーションし、スタッフの配置などの最終確認を隈なく行った。そしてイベント開始―――予想以上にお客様が訪れ、ソリューション事業にも興味を示した。しかし、いざアンケートとなると断られるケースが多発し、1日目は500件足らずの回収数という結果に終わった。焦りを感じた近藤は、2日目の朝礼でメンバーに向かって呼びかけた。「アンケートは、新規顧客開拓のきっかけとなります。対応したお客様の名前をできるだけ聞いて、アンケートにご協力いただきましょう」。さらに自ら声を出して、メンバーのモチベーション維持にも努めた。

その後2日目、3日目はブースに並ぶお客様が出てくるなど、盛況となった。最後まで気を抜かずに、全体の進行管理やお客様と接していた近藤。無事にイベントが終了したときは、人知れず安堵のため息をついた。そして一番気に掛かっていたアンケートの集計結果も目標を大幅に超え、2300件を記録。「リコーの可能性を、多くの人に認知してもらいたい」。今回のイベントの目的であり、近藤の願いは、このアンケートを機に少しずつ達成に向けて動き始めていたのだった。

エピローグ
「イベントがきっかけとなって、受注をいただくことができました!」。

営業からの報告だった。これまでソリューション事業としての認知度が高くなかったため、どのお客様にアプローチすればいいか分からないという悩みを抱えていた営業。だがイベントのアンケートをきっかけに継続的に訪問し、見事受注に至ったのだという。「イベントの目的が達成されたと、嬉しくてたまりませんでした」。

またイベントを機に新たな自分も発見した。「これまでは誰かの指示のもとで動くことが多かったが、先見の明をもって主体的に動くようになりました」。マネジメント面で大きく成長した近藤は、リコーの可能性を広げる存在として、絶えず努力を続けていく。
今回のイベント後、立て続けに2本のイベントの主管を務めることになった近藤。「日々、自分の成長を実感しています」。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
経営学のゼミに所属し、企業のケーススタディを通じて経営戦略や知識創造(ナレッジマネジメント)、リーダーシップ論などを学んだ。これら経営の基礎知識は、企画書の作成時や販売戦略・マーケティングを行う際の考え方のベースとなって活きている。
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