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メーカー(住宅・建築) / インフラ(建設) / メーカー(インテリア・建材・住宅設備)
最終更新日: 2007/10/01
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プロの仕事研究
1500人が常時利用できる“e-ラーニングシステム”を構築した人材育成のプロ。
事務系−事務系その他
教育部/主任
冨田 斉 (32歳) Hitoshi Tomita
入社11年目 / 明治学院大学 法学部 出身

プロフィール
金額的にも仕事的にもスケール感の大きい住宅メーカーにターゲットを絞り、数社と面接。その中で、もっとも自分らしさを引き出してくれ、人間味ある面接内容だった一条工務店に入社を決める。入社後3年間、埼玉県の熊谷東展示場にて営業活動を行い、2001年教育部へ異動。現在は主任として後輩の育成にも取り組んでいる。

プロローグ
「いやです。異動したくありません」。教育部への異動の話を聞いたとき、冨田は思わずそんな言葉を口にしていた。

入社から3年、営業の仕事に情熱を燃やしていた冨田。お客様がモデルルームに来場した際のご案内から、ご契約、お引き渡し、さらにはアフターフォローまで、お客様にとって一生の宝となる“住まい”を一緒に作り上げる仕事にやりがいを感じていただけに、その職を離れることに抵抗を感じた。さらに、初めての異動というのも冨田にとって、実は不安だった。だが、すでに異動の辞令は出ている。冨田は覚悟を決めるしかなかった。

その後、試行錯誤を重ねながら研修講師として経験を積んでいった冨田。精神的にも着実に成長していく様子を、教育部の先輩が見逃すはずはなかった。講師だけにとどまらず、研修そのものの企画や運営までを任されるようになる。そして、2005年11月末、一条工務店初のe-ラーニングシステム作りを任されることになったのだった。

講師として自信の持てないところからのスタート。 1
2001年10月、冨田は憂鬱な思いを引きずりながら教育部へと異動する。最初の仕事は、新卒と中途採用の新人営業社員の研修講師だ。講師といっても、特別なマニュアルが用意されているわけではない。また、中途採用の新人の中には冨田より一回り以上年上の人もいる。「弱冠26歳の自分が年長者の教育などできるのだろうか…」。講師としての知識や準備不足を心配し、不安を感じながら仕事に取り組む日々。そうした毎日は、冨田を疲弊させた。体重も減り、表情が暗くなる。「もっと勉強してから、もっと準備をしてから、講師をやりたいのに…」。

そんな様子を見ていた教育部の先輩が声をかけた。「とにかくやろうと思うことを、何でもやってみなさい」。この一言が、冨田に勇気を与えた。「ダメならダメで、やってみたときに初めてどうダメなのか分かることなんだ」。気持ちの中で何かがふっきれた。それからの冨田は、自身の営業経験を活かし、工場見学をしながら研修を行うなど、実践で役立つ内容を取り入れた。また、机上の研修では、話すトーンやスピード、表情や身振りなどにも気を配り、伝えるための工夫をした。手探りながらも独自のアイデアで研修を行う冨田。大きな自信をもたらしたのは、現場からの反応だった。

新商品『夢の家 全館床暖房システム』の魅力を1500人の営業社員に伝えたい! 2
ある日、研修を終えて現場に出た営業社員から「おかげさまで契約が取れました」と感謝の言葉が届いた。年長者の新人からも「研修が現場で役に立っているんだ」と声をかけられるようになる。それは、冨田にとって何より嬉しい知らせだった。その後も現場からの声が途絶えることはなく、「もっといい結果が出るような研修をやりたい。もっと現場のニーズに応える教育システムを作りたい」と前向きになっていった。

そんな冨田には、常々考えていることがあった。「1500人の営業社員に対し、よりスピーディーに効果の高い研修を行う方法はないだろうか」。教育部で研修講師を担当しているのは冨田を含めて3人。直接研修を行うのでは非効率的なのだ。折りしも新商品『夢の家 全館床暖房システム』が発売されたばかりというタイミングだった。一条工務店にとっての主力商品で、コストが安く、床暖房だけで家全体が暖まり、光熱費も抑えられるという多くの魅力を具える。そんな『夢の家 全館床暖房システム』の魅力とその知識を、全営業社員にいち早く的確に伝える方法はないかと悩んでいた冨田の頭に、アイデアがひらめいた。「“e-ラーニングシステム”をやってみよう!」

初めての“e-ラーニングシステム”作りに取り組むが、問題が次々と… 3
“e-ラーニングシステム”とはパソコンとインターネットを利用した学習・研修システム。冨田はこれに目を付けた。そして、2005年11月末、一条工務店初めての“e-ラーニングシステム”作りが始まった。システムのリリース時期は、商品が床暖房だけに「冬の時期に間に合わせたい」ということで、翌年2月と決定した。制作期間は、すでに3ヶ月を切っていた。

冨田はさっそくシステムを作る会社とコンタクトを取り、アニメーション・詳細情報・○×テストの3部からなるシステムをオーダーした。ところが、大きな問題が発覚。『夢の家 全館床暖房システム』が発売されてまだ2ヵ月しか経っておらず、商品に関する情報が社内にもほとんどなかったのだ。だが、冨田は妥協することなく情報を収集した。海外の開発チームに直接連絡を取ったり、本社の各部署で開発に携わった人たちに尋ねたりと、自ら積極的に動き回る。冨田には、単に商品理解の促進だけでなく、この“e-ラーニングシステム”を通じて“住む人が幸せに暮らす家づくりを”という一条工務店の心を社員一人ひとりに伝えたい、という思いがあった。

思いを伝えたい部分の原稿は自分で作る! 4
「薄っぺらな内容のシステムはつくりたくない」。強い信念を抱く冨田に妥協などありえなかった。だが、再び大きな壁が立ちふさがる。商品の紹介文を作成するライターに住宅の知識が無いため、商品に対する冨田の思い入れが上手く伝わらないのだ。また、冨田自身がこだわるあまり情報量が膨大になり、ライターとのやりとりも行き詰まる。思うように進まないまま時間だけが過ぎ、冨田の脳裏に一瞬、「もうムリかもしれない」と諦めがよぎった。

「とにかくやろうと思うことを、何でもやってみる」。問題解決の突破口を開いたのは冨田自身だった。思いを伝えたい大切な部分の原稿は自分で作成し、単に情報を伝える部分やテストの文章をライターに任せることにしたのだ。このアイデアをきっかけに、ようやくプロジェクトが本格軌道に乗った。最後の大詰めには、1週間東京本社にこもり明け方まで最終調整に取り組むこともあったが、予定通り2006年2月、一条工務店初の“e-ラーニングシステム”のリリースに成功した。

そして、このリリースから半年後、寄せられる現場からの多くの感謝の声と、『夢の家 全館床暖房システム』の順調な受注に、冨田は大きな達成感を味わったのだった。

エピローグ
最初は教育部への異動を拒んだが「今は教育部に来てよかった」という冨田。「結果はどう出るか分からないけれど、諦めずに最後までやることが大事。そうすると周囲も自然と協力してくれる。“諦めない”という気持ちにはそんなパワーがある」と話す。

「一条で頑張りたいとは思うけど、教育部にこだわってはいません。どのステージでもやることはいくらでもあるから」。教育部での経験が、冨田に“どこの部署に行ってもやれる”という自信を与えた。そんな冨田の次の目標は、全社員が段階的に成長できる人材育成プログラムを確立すること。そしてプライベートでは、家族を大切にして、いつか一条工務店の家を建てることだ。
「商品の良さを社員に伝えることがお客様に満足していただける提案につながる」という冨田自身、一条工務店の家のファンである。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学時代にスキューバダイビング部で主将を務め、責任者として後輩の指導にあたった。何かあれば生命に関わるということもあって、『常に危機意識を持つこと』や、『自己管理を徹底すること』などを学んだ。社会人としても、そろそろリーダーとしての活躍が期待されるようになった今、それらの経験が大いに役立っている。
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