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情報・通信(ソフトプロダクト開発(パッケージ商品)) / 情報・通信(ソフトウェア開発) / 情報・通信(ネットワーク・通信技術)
最終更新日: 2007/12/27
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プロの仕事研究
数多くの開発案件を同時並行で進め、急成長を遂げたフィルタリング技術のプロ。
ソフトウェア系−パッケージソフト・ミドルウェア開発
開発本部 開発部/第二開発担当
小林 潤(仮名) (25歳) Jun Kobayashi
入社3年目 / 筑波大学 図書館情報専門学群 出身

プロフィール
中学時代からパソコンの世界に興味を持ち、情報工学を学ぶために高専へ進学。より専門性をきわめるために大学へ編入。『[en]学生の就職情報』を通じてデジタルアーツの存在を知り、自社製品を開発して成功を収めていることに惹かれる。入社後、着実に成長を遂げ、数多くの開発案件を成功へと導いている。

プロローグ
独自のフィルタリングソフトを開発し、次々と新しい製品をリリースしているデジタルアーツ。3500以上の企業や官公庁、1万3000校以上の教育機関などに同社のフィルタリングソフトは導入され、多くのユーザーを守っている。ホームページだけでなく、ブログやSNSなど、さまざまな形態のWebサイトが登場するなかで、フィルタリングソフトの需要はますます高まっている。企業向け、教育機関向け、家庭用ゲーム機用など、次々と新製品のリリースが続き、デジタルアーツの開発エンジニアたちは日々新しいモノづくりに挑んでいる。

ここに登場する小林潤も、その開発の第一線で活躍している若手のエースである。主にコンシューマ向けの製品を担当し、次期シリーズの重要な開発も任されている。今でこそ複数の案件を同時並行で進められるようになった小林であるが、最初は一つの仕事をこなすだけでも精一杯だった。周囲の先輩のようにスムーズに仕事を進められない。自分の未熟さに悔しさを感じながらも、いつしか一人前の開発エンジニアへと成長を遂げていた――。

開発案件の多さに戸惑う。 1
入社以来、官公庁や学校向けの製品開発に携わっていた小林は、2007年1月、コンシューマ向け製品の開発を任されることになった。家庭で使われるパソコンやゲーム機に搭載されたり、インターネットカフェで使用されるフィルタリングソフトを開発するのである。「より身近な人々に自分のつくったモノが使われる」。そんな嬉しさを感じながら、小林は開発をはじめた。

当時、コンシューマ領域の開発では、新しくリリースされるゲーム機用の開発やWindows Vistaが搭載された各メーカーのパソコンそれぞれに対応させるソフトの開発など、多くの案件が同時並行で動いていた。小林のもとにも次々と開発案件が舞い込んできた。

Vista対応版のインストーラの作成が終われば、次はネットカフェで使われるアップデータの作成、さらにはゲーム機用ソフトの検証作業…、次々と発生する仕事に小林は戸惑いを隠せなかった。

ユーザーの声を聞く開発エンジニア。 2
開発作業だけが小林の仕事ではない。開発し終わった製品のテストはもちろん、リリース後に発生したユーザーからの問い合わせへの対処も時として開発エンジニアが行なうのである。Vistaに対応させたインストーラで問い合わせがあれば、その対処方法を導き出し、明確な回答をユーザーに返さなければならない。そのように同時並行で仕事を進めていくスタイルにまだ慣れていなかった小林は、最初のうちは戸惑いを隠せなかった。「もっと効率的にできないものか…」。そう感じながら、とにかく目の前の仕事をこなすことで精一杯だった。

通常、ユーザーから問い合わせがくれば、サポート担当が対応する。しかし、新しい製品に関するものなどは、開発部も率先してサポート担当とともに一つひとつ対応しなければならない。小林もいくつかの対応に追われながらも、作業を進めた。そして業務にも慣れ始めた頃のことだった。「新しくインストールしたものの、パソコン自体のシャットダウンがうまくいかないんです…」。あるユーザーがそんな問い合わせをしてきたのだ。同様の現象はまだ起こった例がない。とりあえず小林は、現象が起こった状態と同じ環境を作り出し、原因の解明に乗り出した。

自らの力で問題を解決に導いていく楽しさ。 3
「おかしい。どうなってるんだ…」。原因はすぐには分からなかった。シャットダウンする時のパソコン内での処理が書かれたログを確認する。その時に動いているプログラムを一つひとつ目で追っていく。だが、解決の糸口は見つからない。そうこうしているうちに、次の案件への対応や新しいインストーラの開発などに時間は割かれていく。

一つの案件だけに集中しすぎるのではなく、それぞれに優先順位をつけ、一方の空き時間にもう一方の仕事の手順や見当をつけておく。いかに効率的に仕事を進めていくかを小林は意識した。そしてコンシューマ向け製品の開発に携わるようになってから、いつしか小林は効率的な仕事の進め方を徐々に身につけるようになっていた。また、効率的に仕事を進めるだけでなく、新たな問題を自らの力で解決に導き、また新しい開発にも次々と携われる毎日を小林は楽しめるようになっていた。

開発経験の多さがもたらす技術者としての成長。 4
「ん? これは何だ?」。シャットダウン時に発生する不可解な現象の問い合わせがあってから、すでに数日が経とうとしていた。時間を作っては、何度もシャットダウンを再現していた小林はあることに気づいた。シャットダウンの動作がはじまるある瞬間、画面の端に点滅しているものがあったのだ。これまでの動きでは見られなかった点滅であり、小林はピンときた。すぐにその点滅を起こしているアプリケーションを停止させた状態で、同じようにシャットダウンを試みた。すると、不具合なくシャットダウンが行なわれ、パソコンの動作が正常に終了したのである。「まさかこんなところに…」。自社の製品とは関係のないところが影響していた現象だっただけに、なかなか原因を解明することが難しかったのだ。すぐにカスタマーセンターを通じてユーザーに原因と対処方法を伝えると、ユーザー側でも問題なくシャットダウンが完了した。

こうして次々と業務をこなすうちに、小林はコンシューマ向け製品の開発をはじめた頃とは比べものにならないほど仕事のスピードが上がっていた。“直列処理”から“並列処理”へ―― “デキるエンジニア”の仕事の進め方をいつしか体得していたのだ。同時に、どんな仕事にも対応できる確かな自信も小林は手に入れていた。

エピローグ
「とにかく任された仕事は、どんなに難易度が高くてもやりきる。そんな気持ちで仕事に向かっていました」。任される仕事の幅が広がった今も、開発エンジニアとしての小林のその姿勢は変わらない。

その後、次期バージョンの開発なども次々と進めていった小林。“ソフトの顔”となるユーザーインターフェースの開発も任されるほど、周囲からの信頼はますます高まっている。開発だけでなく、テストやリリース後の対応など、技術者として幅広い領域にわたって活躍できるデジタルアーツ。すべての仕事が“新しいモノづくり”へとつながっていることを実感しながら、小林は同社の成長をその技術力で支えている。
開発ミーティングで積極的にアイデアを出す小林。実際にソフトを使うユーザーの声を反映した製品開発を何よりも心がけている。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
「考えても分からない時は、とりあえず適当な数字を入れて計算してみろ」。数学の先生が発したこの言葉が小林を変えた。何ごとも考え抜いてから行動するタイプだったが、それ以降、“まずは行動する”ようになった。複数の仕事が同時並行で進む現在も、“まずは前に進むこと”を常に心がけて優れた成果を収めている。
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