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最終更新日: 2007/11/08
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プロの仕事研究
大手オートリース会社からの要望に的確に応え、信頼を得た自動車輸送営業のプロ。
営業・販売系−営業(法人・ルートセールスが中心)
本社営業部 カーセレクショングループ
伊藤 崇 (32歳) Takashi Ito
入社10年目 / 文教大学 国際学部 国際学科 出身

プロフィール
自動車の輸送だけでなく、整備や中古車入札会と、自動車の“揺りかごから墓場まで”関わることができる面に魅かれて入社。日産自動車の新車整備センターから販売会社までの輸送業務に携わる。2000年10月には日産自動車(株)車両物流部に出向。2005年5月より、本社営業部・カーセレクショングループに異動。

プロローグ
2005年5月、日産自動車に出向していた伊藤に本社営業部への異動が発令された。本社営業部は全国展開している大手オートリース会社を顧客に持ち、リース先のお客様からリース会社に代わって期間満了になる車両を引き取ったり、ゼロが主催している中古車入札会「カーセレクション」へ引き取った車両を出品してもらったりと業務範囲が広い。

入社後、綾瀬営業所に配属になった伊藤は、日産自動車の新車整備センターから販売会社までの輸送を担当し、ドライバーや積載車の配車手配を行なっていた。その後、日産自動車に出向し、工場出荷した自動車の新車整備センターまでの輸送、新車整備センターでの部品供給と整備・架装、新車整備センターから販売会社までの輸送を一貫したシステムでオペレーションする業務に携わった。輸送に関しては経験と実績を積んでいたが、営業として大口顧客を担当するのは初めて。担当する顧客は、保有する車両台数が5万台から60万台、年間輸送台数が2000台から2万台と大規模な大手オートリース会社。取引がなくなれば、その穴をカバーするのは難しい。

「大口顧客を任されても、未経験の自分には無理」――伊藤には前途多難に感じられた。

営業経験がない中で、大口顧客を担当する不安が伊藤を襲う。 1
オートリース会社は自動車を扱ってはいるものの、金融業界に位置しており、自動車に詳しい人はさほど多くない。しかしながら、輸送サービスの品質やコストに関してはシビアだ。リース車に関しては、ゼロがリース会社に代わりお客様と打合わせ、輸送することになるため、打合わせの際の対応はもちろん、車両受託時のドライバーのマナーにまで気を遣い、お客様の要望にもできるだけ応えていかなければサービスの質が問われてしまう。

リース先のお客様は営業車としてリース車両を使っていることが多く、一旦営業などで外出するとなかなか連絡がとれない。そのため、リース満了になる車両を引き取りに行く日程の打合わせに時間がかかることも多い。その為、ゼロでは本社営業部内に専用の窓口としてリースカスタマーセンターを設置し、全ての輸送案件はリースカスタマーセンターからリースを受けているお客様と直接連絡をとって輸送日程や細かい注意事項を確認し決定する。その結果を日本全国にあるゼロの拠点に伝達し、それに従ってドライバーがリース先に行くのだ。

その中で、オートリース会社から様々な要望が寄せられる。異動当初、営業経験がないことで不安に感じていた伊藤だが、オートリース会社の要望に対して、輸送の現場にいた経験から「こういうことならできる」といった提案ができることに気がついた。

輸送の現場で配車を手がけたことが財産に。 2
その1つが時間指定だ。ゼロでは原則として時間指定を受け付けていない。リース会社からは「なぜできないのか?」という質問が寄せられていた。輸送の現場で配車を手がけた伊藤は、「ドライバーが朝の4〜5時に出てきて準備を行ない、輸送を行なっていますが、交通渋滞やその前の作業でお客様がいなくて車の引渡しができないなどのトラブルから時間がずれこんでしまう可能性があります。何時に伺う、というピンポイントでのお約束はできませんが、2時間程度の幅を見ていただければその間に伺うことはできます」と提案したのだ。

また、リース満了の車両を引き取りに行く際、使用者が車両に積んでいた仕事道具や私物、後付けした装備品などは取り除いてもらうよう、リース会社から要請されていた。伊藤はその要望に対してもリースカスタマーセンターと検討し、引き取りに行く日程調整を行なった際に、併せて留意事項を分かり易く記入したFAXをお客様に送信するなどして、使用者の私物や搭載品を確実におろしてから返却してもらえるよう、お願いすることにした。

こうして、社内の調整をしつつ顧客の要望に応えていくことで、少しずつリース会社との信頼関係が築かれていった。

数千台の輸送受託が“0”に――信頼を回復するために奔走する。 3
伊藤が新しいことを提案して、信頼関係の構築に力をいれるには理由があった。事の発端は伊藤が本社営業部に異動になる直前のことだった。大手リース会社A社の受注を全国の営業所でバラバラに行なっていたが、窓口を一本化して欲しいという要望があった。そこで、リースカスタマーセンターを窓口としたが、その移行に当たって、リース先のお客様対応にミスが重なり、年2000〜3000台という輸送が競合他社に移ってしまったのだ。

異動してきたばかりの伊藤は、さっそくA社の輸送受託回復に向けて動きはじめた。A社の輸送業務は他社に移ったものの、幸いなことに、ゼロが主催する中古車入札会「カーセレクション」への出品は続いていた。そこで伊藤は上司とともにA社を訪れ、「せめて当社が主催するカーセレクションへの輸送だけでも当社にやらせてもらえないだろうか」と交渉を続けた。さらに、リース先のお客様対応を改善するため、A社の専属担当者をリースカスタマーセンターに置くことを提案し、少しでも質の高いサービスができるようにと努めていった。

一度失った信頼を取り戻すことの大変さを実感。 4
伊藤らの説得により、A社の輸送業務はカーセレクションに出品する車両の輸送から、再びゼロに委託されるようになった。それから、1年をかけてようやく以前と同じ台数の輸送を任せてもらえるまでに受注を回復することが出来た。更に、今後A社の輸送は大きく伸長することが見込まれている。A社はゼロおよび伊藤への信頼から、今後さらに多くの台数をゼロに依頼する旨を伝えてきたのだ。伊藤はホッと胸をなでおろした。それと同時に一度失った信頼を回復することの大変さを身にしみて感じた。

しかし、受託台数の拡大が決まったからといって安心している時間はなかった。スタートラインに戻り、ようやく1歩を踏み出したところなのだ。伊藤らはすかさずA社に対してカーセレクション利用に関する新しい企画を提案した。企画には、説得力を増すため「カーセレクション」での落札実績データの分析などを添付したが、それには日産自動車への出向で得たノウハウが非常に役に立った。

新しいことをやるのに不安はつきまとう。しかし、これまで積み重ねてきた経験が必ず役に立つ。諦めずに真摯に取り組む姿勢がお客様に伝わることを、伊藤は学んだのだった。

エピローグ
伊藤は日産自動車に出向して、ゼロに発注する顧客の立場を経験した。そのときに感じたのが、「ゼロが輸送品質やサービスを良くしようとやっていることは、お客様の目線から見たら当たり前のことでしかない場合もある」ということだった。

「ゼロは陸送業界の大手ですが、さらに多くのお客様からゼロが選ばれるためには、輸送品質やサービスの向上が欠かせない」と伊藤は語る。そのために、お客様の要望にいかに応えるかを常に考えるとともに、新しいサービスを提供し続けることの重要性を感じている。伊藤は常に前を見据えて、これからも歩んでいくのだ――。
全国のリース車両の輸送から、中古車入札会の開催まで、伊藤の業務は多岐に渡る。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
学生時代、テニスサークルに所属していたが、テニスをするだけでなくキャンプやスキー、釣りなど様々な企画を提案し、活動を活発化させたことで、新入生当時30人だったメンバーも卒業までには倍以上の人数にまで成長させることができた。その中で、常に新しい企画やサービスを提供することの大切さを学んだ。
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