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インフラ(電気通信事業者) / インフラ(建設)
最終更新日: 2008/01/24
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プロの仕事研究
自分なりのスタイルを確立し、円滑に電気工事現場を管理するエンジニアのプロ。
技術系−建築・土木技術者
工事部 工事1課
吉田 善隆 (30歳) Yoshitaka Yoshida
入社8年目 / 大阪工業大学 工学部 電気工学科 出身

プロフィール
入社後1年間は、職人見習いとして電気工事の現場作業に従事。入社2年目からエンジニア職として現場を管理する立場になり、某百貨店改修工事や高校の空調改修工事を経験。入社3年目に携わった大学改修工事では、2棟あるうちの1棟すべての電気工事を担当し、見事にやり遂げた。現在は、マンション改修工事を担当している。

プロローグ
「社会人になるからといって、スーツを着て働きたくはない」。そう考えた吉田は、自分の専攻を少なからず活かせる電気設備工事業者を中心に就職活動を行った。様々な規模の会社を回りながら、それぞれの会社が持つ雰囲気を感じ取っていった吉田。そんな中、社長直々に面接を担当してくれた三栄電気工業株式会社では、通りすがりの社員も気軽に声をかけてくれ、何よりその表情がイキイキと輝いている。「一番、人情味に溢れる会社ですね」。そう言った吉田に対して、くったくのない笑顔を返した社長。「ここなら、肩肘張らずに仕事に取り組める」。そう強く感じたのであった。

晴れてエンジニア職として同社に入社した吉田。エンジニア職とは、職人に適切な指示を出し電気工事を円滑に進める、言わば現場監督だ。馴染みのない仕事だけに、「指示さえ出していれば、あとは職人さんがやってくれるから」と少し高をくくっていた。その考えが甘かったことを、吉田は思い知らされることになる。現場監督、その言葉の持つ意味、大きな責任、自分で考えることの大切さや、職人、他業者とのコミュニケーションの重要性。様々な現場を経験し、成長を遂げていく吉田の仕事ぶりを追った。

電気工事の基本的な知識を身に付けた職人見習い時代。 1
三栄電気工業株式会社では、新卒社員全員がまずは職人見習いとして現場で電気工事作業に従事する。約1年間の現場経験を経て、そのまま職人の道を歩む者、エンジニア職として活躍する者に分かれるのだ。エンジニア職として入社した吉田もまた、職人見習いとして社会人生活をスタートさせた。とはいえ、まだ知識も経験も持たない新卒社員。最初は、現場の掃除、工具や材料運びといった雑用が主な仕事であった。そんな中でも吉田は、多くのことを学んでいった。電気工事のメインとなるのは照明器具の設置であると思っていたが、それ以前に壁の内側にケーブルを配線したり、使い勝手を考えた場所にスイッチボックスを取り付けたり、いわゆる前工事と呼ばれる作業が存在した。

時折、先輩社員から「ここをやってみろ」と簡単な作業を任された吉田は、与えられた作業に没頭した。そして全体の工事終了後には、現場から少し離れた場所から明々と輝く照明を眺めながら、目に見えるものを作り上げた喜びを感じていたのである。そうして少しずつ知識と経験を積み重ねること1年、いよいよ吉田はエンジニア職として活躍することになるのであった。

「エンジニアの仕事に正解はない」。初めての現場で、先輩社員から言われた言葉。 2
職人の立場から現場監督の立場へ。初めて担当することになったのは、某百貨店の改修工事。先輩社員のエンジニア職のサポート役ではあったが、仕事内容は大きく変わった。施工図の作成や資材の発注、工程管理、職人の安全管理などが主な仕事。工事全体を把握するのは当然として、先の工程も見据えながら職人たちに指示を出さなければならない。より広い視野が必要になるのだ。また、百貨店の営業終了後の夜間工事であったため、効率性も求められた。さらには既存の建物の部分改修工事であったため、施工図面通りに進まないこともしばしば。臨機応変な対応も要求された。その都度、先輩社員の指示を仰ぎながら現場を管理していった吉田であったが、それはただ言われたことをこなすだけであり、“現場監督”という仕事とは程遠かった。

実際の工事を行うわけでもなく、連日の深夜勤務続き。「オレ、何やってんのかな?」。そう思い悩むようになっていった。そんな吉田に先輩社員は言った。「エンジニアの仕事に正解というものはない。いろんな人の良いところを学んで、自分なりのスタイルを見つけろよ!」と。吉田が、その言葉の意味を理解するのは、もう少し後のことであった。

入社4年目にして任された大きな仕事。現場監督としての自覚が芽生えた。 3
約1年間にも及んだ百貨店改修工事を終え、ある高校の空調改修工事現場に配属された吉田。そこでは自分が主として現場監督を手掛けていくことになり、毎日のように職人たちをはじめ、空調設備業者の担当者と打ち合わせを重ねた。電気工事を行う責任者として懸命にやり取りを行ったが、職人たちに助けられることも少なくなかった。そうしてなんとか空調改修工事をやり遂げた吉田に、上司から次なる仕事が与えられる。

「ある大学改修工事。2棟あるうちの1棟すべてをお前に任せるから」。それまで担当してきた現場の規模とは、雲泥の差。5階建ての建物すべての電気改修工事を任されることになったのだ。入社4年目にして大きな仕事を任された吉田は、意欲を高め、気持ちを新たに現場に向かった。早速、工事一切を取りまとめる大手建築業者(ゼネコン)をはじめ、空調設備業者などとの全体打ち合わせに臨んだ吉田。その頃には、他の業者の担当者とのコミュニケーションにも慣れ始めていたこともあり、はっきりと自分の意見を言うことができた。「自分が指示を間違うと、職人たちも作業を間違ってしまうんだ」。現場監督としての自覚が、芽生え始めていたのである。

考えることの大切さ、コミュニケーションの重要性。そしてこの仕事の楽しさを知った。 4
「効率よく工事を進めるために、いま何をしておけば良いのか?」。吉田は常に考えた。判断に迷った時は、職人たちに意見を求め、現場の状況に耳を傾けた。そして施工図面を作成する順番、資材発注時期など、先の工程を見据えながら準備を進めていったのである。また、古い校舎の改修工事であったため図面通りに進まないことも多かったが、吉田はすぐに行動することを心掛けた。例えば、建物のゆがみなどの影響でケーブルの配線工事が難しい場合、他の業者と交渉を行い、スペースを確保した。他社との調整も行いながら、自社の職人たちが働きやすい環境を整えていった吉田。同じ現場で働く他社の職人たちとも積極的にコミュニケーションを図り、臨機応変に対応していったのである。

コミュニケーションを大切にしながら現場を管理する吉田は、いつしか自社の職人たちだけでなく、他業者からも信頼される存在になっていた。時には冗談を交えながらコミュニケーションを図り、良好な協力体制を築いていく吉田なりの仕事のスタイル。かつて言われたことをただこなすだけで精一杯だった吉田は、自分なりのスタイルを確立したことで、たくさんの人たちと協力して工事を進めていく現場監督の仕事の楽しさを感じていた。

エピローグ
無事、大学改修工事をやり遂げた吉田は、確かな自信を身に付けていた。明確な答えのない現場監督の仕事。それだけに自分の考えや意見を反映しやすいという面白さがある。納期管理や人件費・資材費などのコスト管理も担当するため責任も大きいが、自ら考えて仕事を無事やり遂げた時に感じる喜びはそれ以上に大きい。

そうして現場監督として自分が手掛けた現場一つひとつが、完成すれば自分の作品として世の中に長く残っていくのだ。現在、新たにマンション改修工事を任されている吉田。予想外の事態に悪戦苦闘しながらも、今日も吉田は現場の指揮をとっている。
様々な現場を経験することで、他業者とも顔なじみになり、職人とも仲良くなるという吉田。現場監督には人脈も大切である。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学やアルバイト先でたくさんの友達を作り、楽しい学生生活を送った。様々な人たちと出会い、人付き合いを行っていたその頃の経験が、現在のエンジニアの仕事にも活かされている。職人や他の業者とやり取りを行い、円滑に工事を進めていく際にコミュニケーション能力が役立っているのである。
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