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最終更新日: 2007/12/27
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プロの仕事研究
仕事を進める上で大切な「考え方」を学んだ、システム開発のプロ。 
ソフトウェア系−システムエンジニア(オープン、WEB系)
システム部
深野 祥平 (29歳) Shohei Fukano
入社6年目 / 九州大学大学院 理学部 出身

プロフィール
ものづくりに興味があった深野は、IT業界を中心に就職活動を行なう。そこで出会ったのがクリックだった。仕事とは直接関係ない話で盛り上がる面接。「こんな風に楽しく仕事ができる会社なら、きっと充実した社会人生活が送れる」と直感、入社を決意した。現在は、無線装置管理システムの開発に携わる。

プロローグ
「その業務、いつ終わるの?」。上司からの問いかけに、深野はすぐ答えることができなかった。「分からないことを妥協せずに調べるのはいいことだけど…情報収集するにも目的とそのためのプロセスをはっきりさせないと、いつまで経っても終わらないぞ」。そう指摘を受けたものの、深野の中にも自分なりの強いポリシーがあった。どんな些細な情報にしろ、調べるだけ調べつくしていけば、知識や技術がそれだけ蓄積されていく。それにともなって、エンジニアとしての能力も高まっていくと考えていたのだ。しかし、入社3年目で任されたある仕事を通じて、深野の考え方は大きく変わることになる――。

初めて任された、ゼロから新しいものを生み出す仕事。 1
入社3年目を迎えた深野は、「映像伝送方式の検討」を任されることになった。アナログ画像信号をデジタル変換する際に用いられる(デジタル放送などでも活躍する)システムの通信方式を改良するというものだ。現状の方法でも十分機能は果たせているものの、より最適な方法でデータが処理できる「新しい方式」を考えだすことが最終目的である。

これまで設計書に従ってプログラムを組む仕事がメインだった深野は、毛色の異なる仕事にワクワクした。何しろ画像の分野に踏み込むのも初めてなら、自分で設計部分から考えるというのも初体験だったのだ。上司がサポートに入るものの、基本的にはメイン担当として深野が仕事を進めることになる。現状の調査から、改良案の提示までを自分で考えていくことが求められるのだ。

「その業務、いつ終わるの?」。答えを出せない自分。 2
とはいえ、ゼロから新しいものを生み出すことは、そう簡単ではない。ましてや新しい方式を考えるといっても、そもそも現状の伝送方式がどんなものかも深野には分かっていなかった。そのため、まずは映像伝送方式の基礎知識を得るために、おおもとの規格書を読み込んでいくことにした。しかし、これが困難を極めた。分厚い規格書は情報量がとにかく膨大で、どこがポイントになるのか掴みきれない。また、聞いたこともないような専門用語がならぶ。とはいえここをクリアしないことには、現状の調査どころか改良案など考えられはしない。深野はインターネットや専門書を駆使しながら、規格書の内容の理解を進めた。

「趣味とは違うんだぞ」。周辺情報を調べるのに没頭していた深野に、上司から厳しいひとことが投げかけられた。知識の習得は終わりがないだけに、自分でゴールを決めなければいくらでも時間を費やすことになる。いつまでも業務を終える気配のない深野を見かねて、上司は声をかけたらしかった。その後もしばしば、「その業務、いつ終わるの?」と問われたものの、深野はいつもあいまいな答えしか出せないでいた。心のどこかで、地道に知識を蓄積していけば、道は開けてくると考えていたのだ。

上司の判断で、検討の仕事からはずされることに――。 3
「どのぐらい、伝送方式について理解が進んだ?」。数週間たったある日、そう問われた深野は言葉を詰まらせた。自分が今、伝送方式について何%ほどまで理解ができているのか、「マスターした」と胸を張れるまで、あとどのぐらいの期間が必要なのか…まったく把握できていなかったからだ。そのやりとりの後、深野は検討の仕事からはずれることになった。ミッションの理解度を見た上での上司の判断だった。

深野はその判断を、やるせない気持ちで受け止めた。自分に非があるのは分かる。とはいえ、「では自分はどうするべきだったのか」という答えはなかった。その後、同じ上司のもとで別の仕事を任されることになった深野は、その日の仕事の進捗を毎日メールで報告するように言い渡された。仕事内容を種類別・工程別に整理してやるべき業務を明確にし、各業務の進捗状況と今後の進め方を記す形式のものだ。

始めたばかりの頃は、なぜこんなことをするのか深野には分からなかった。しかし報告を毎日続けるうちに、深野はこれまでの自分の考え方を改めた。これまでの自分は、ゴールもはっきり決めずに漠然と業務を進めていた。そのため、アレもコレもと手をつけ、本当に優先すべき仕事が後回しになってしまっていることもあったのだ。それではいけない、と気付き始めたのだ。

大切なのは、「知識」ではなく「考え方」を深めること。 4
仕事内容を細かく分類すると、今すぐやるべき業務とそうでない業務を選別できるようになる。優先してやるべき仕事が明確になれば、あとはその業務をいかに効率よく進めるかを考えれば良い。その業務は、自分一人の力だけでできるものなのか、先輩の手を借りた方が良いものなのか。どれぐらい期間を要するものなのか。現状のペースでは、納期に間に合うのか。それらがはっきりすることで、上司から指摘を受ける前に、懸念点について相談を持ちかけ、解決に導けるようになった。

その後、その上司とはプロジェクトが別になったものの、メールでの進捗報告は1年間続いた。深野には自分なりに「どうしたら、もっと仕事が確実に、効率よくできるようになるか」を考えるクセがつくようになった。数年前とは仕事の進め方が確実に変わっていることを、肌で感じていた。そんな自分の成長を、深野は心の中でそっと喜んだ。

エピローグ
良いシステムをつくる上で大切なのは、知識や技術を身につけることではない。「考え方」を深めていくこと。上司との関わりを通じて、深野が学んだことだ。

自分なりのポリシーもあるため、最初は素直に意見を受け入れられないこともあった。しかし逆に言えば、「考え方」の部分までアドバイスをくれたのは、その上司だけだった。深野は今、エンジニアとしてのスキルアップはもちろん、上司との関わりを通じて学んだ「考え方」を、後進に伝えていきたいと考えている。
「これからは学んだことを活かして、エンジニアの育成に携わっていきたい」と語る深野。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学時代に覚えた麻雀は、深野を変えた。麻雀は、ポジティブな気持ちと忍耐力が勝負の決め手となる。それまで精神的に弱く、嫌なことがあればすぐ気持ちを静めていた深野は、少しのことでは動じないようになった。前向きな姿勢で物事を続けていれば、いつか運気が向いてくる。仕事でもこの姿勢を忘れないようにしている。
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