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情報・通信(ソフトウェア開発) / サービス(専門コンサルティング(情報通信系)) / 情報・通信(ネットワーク・通信技術)
最終更新日: 2007/10/01
(マークの説明) 正社員 理文不問
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プロの仕事研究
作業効率を高めるアイデアで、納期内にサービス導入を実現するシステム開発のプロ。
ソフトウェア系−システムエンジニア(オープン、WEB系)
SIサービス事業部 第4プロジェクト部 第2グループ
谷野 昌史 (28歳) Masafumi Tanino
入社7年目 / 龍谷大学 理工学部 電子情報学科 出身

プロフィール
就活では大学で培った情報システム系の知識を活かせる会社を回る。多様なソリューションを展開していることに企業の将来性を感じ、日本情報通信に入社。以来、電気通信、旅行会社、公共機関などのシステム開発に携わる。作業効率に重きをおき、数々のプロジェクトを成功に導いている。

プロローグ
「問題なくシステムをリリースするのは当然です!」。

2006年度の全社ミーティング。プロジェクト事例を全社員の前で発表していた谷野の言葉に、場内は静まり返った。数百名の視線が壇上でマイクを握る谷野に集まる。一瞬にして空気が変わったのを肌で感じながら、谷野は続けた。「真の顧客満足を得るには、開発者一人ひとりのアイデアが欠かせません──」。社員たちは身の引き締まる思いで、次に発せられる言葉を待った。プロジェクトを無事に完遂するのは、システムエンジニア(以下SE)の仕事であって使命ではない。本来のSEは、スケジュールの遵守やシステムの品質保持を可能にする工夫をもってシステム開発を行うべきである。それが顧客満足と、予想もしない事態に対処できる免疫をつけることにつながっていくのだ──。

谷野にはそう言い切れる自信があった。自らの開発プロジェクトでトライ&エラーを繰り返しながら、幾つかの工夫を重ねてきたからである。しかし、その過程は決して容易なものではなかった。特に、2006年11月よりスタートした公共機関へのWebアプリケーション改修では、何度となく頭を悩ませることになる──。

「法改正までに既存システムの改修を頼みたい」。 1
「本当に自分にできるのだろうか」。顧客の要件に目を通した谷野は心底不安に思った。今回担当するのは、独立行政法人の福祉関連情報を提供する情報提供システムに関わるプロジェクト。福祉関連の法改正に伴い、既存Webアプリケーションの大規模な改修や機能追加における技術支援および設計が谷野の仕事だった。納期が4ヶ月後という短期間での大規模なシステム改修──不安に感じる要因はそれだけではなかった。

経験したことがない規模の『バッチ機能』を設計することになったのだ。バッチ機能とは、顧客がユーザーに情報を提供する際、その情報を集めて一括処理を行う処理機能である。数あるシステムの中でも設計におけるリスクが高いものだった。未経験なだけに、谷野の頭の中をネガティブな感情が巡る。それを押し殺すようにして、谷野はすぐに顧客の要件を設計書に落とし込んでいった。こうして難易度の高いプロジェクトがスタートするのだった。

度重なる仕様変更…このままでは納期に間に合わない。 2
福祉事業の法改正に伴い、顧客側では福祉関連の情報項目やサービスが30ほど増加する。要件は、既存システムが正しくそれらを受け取れるように改修することだった。谷野は、インターネットや参考書などを頼りに設計書を描いていく。その時、できるだけ詳細な内容を盛り込んだ。開発担当者が要件を正しく理解し、設計書通りにシステム改修ができなくては意味がないのだ。限られた時間を目一杯に使って設計書を仕上げ、開発担当者へ渡した。

「チェック機能を追加してほしい」。顧客から仕様の変更を求められたのは、開発がスタートして直後のことだった。仕様が変われば、もとの設計を変更しなくてはならない。今回は大規模な改修だけに、1つの設計変更によって全体の設計変更を余儀なくされた。谷野はすぐに設計書を書き直す。ようやく仕様の変更がかけられたと思いきや、再び顧客から違う箇所の仕様変更が求められた。その度に開発が中断され、各メンバーの手戻りが発生した。一向に終わる気配のないプロジェクトに、谷野は不安を感じる。しかし法律が絡んでいるため、スケジュールに遅れをきたすことはできない。そんな時、谷野は思いつく。「後に控える試験期間を短くしよう!」。

試験期間の短縮とシステムの品質保持を可能にする工夫。 3
谷野は試験期間を短縮することで納期に間に合わせようと考えた。予定より前倒しで試験準備を始める。まずは試験用のプログラム作成に着手。通常の試験では、予め決められた項目を手作業でチェックしながらシステムに問題がないことを確認する。その作業をプログラムによって自動化させることで、試験期間を短縮しようと考えたのだ。谷野は自身のアイデアを先輩社員に伝え、協力を仰いだ。プログラム作成中、谷野の頭の中にもう1つのアイデアが浮かぶ。「今回の変更点や改修ポイントに限定して試験をしてはどうか?」。

試験を短縮化できても、リリース後に問題が発生しては元も子もない。システムの品質保持についても考慮する必要があった。これまで実施されてきたのは、システムの全てのサービスを1つひとつ確認するという試験方法。効率が悪い上に、ムダな動作が増えるため品質が保たれなくなる可能性があった。そこで、試験前に変更・改修した箇所をピックアップして、その箇所にのみ試験を実施しようとしたのだ。谷野らはこの2つのアイデアを実現するため、準備期間に0.5ヶ月と、通常の試験期間と同じ時間を費やした。試験準備がようやく終わりに近づいた頃、ホッとしたのもつかの間、谷野は新たな問題に直面する。

真の顧客満足の獲得が、新たな仕事を呼び込む。 4
開発担当者から上がってきたプログラムの確認作業中、自分の認識とは違う動作の箇所を発見したのだ。設計書を開発担当に渡す際、これくらい分かるはずだという過信から念入りな仕様説明を怠ったのが原因だった。「もっと時間をかけて説明するべきだった…」。後悔の念に苛まれる。しかし、この時すでに試験開始1週間前。谷野は先輩社員の協力のもと、開発担当者と再度仕様のすり合わせを行った。設計書とプログラムを同時に開き、今度は細かく説明する。試験が切迫していることも伝え、即日対応をしてもらった。そうして、求められた要件通りのシステムが完成したのだった。

いよいよ試験がスタートする。開発期間に多くの時間を費やしたため、試験にあてられる期間は予定のスケジュールよりも短い。「準備の成果が表れればいいが…」。谷野は願うような気持ちで試験を行っていった。効率性を重視した試験内容に、少しずつ時間が短縮されていく。最終的に、通常の試験より半月ほど短い試験期間で完遂することができた。要件通りのシステムの仕上がりに加え、その品質の高さも顧客に評価され、次の案件も谷野らが担当することになった。「自分のアイデアにより作業効率を高めることで、スケジュールの遵守やシステムの品質保持を可能にすることができた…」。真の顧客満足を得た谷野は、SEとして大きく成長できたことを実感するのだった。

エピローグ
全社ミーティングでプロジェクト事例を紹介する機会を得た谷野。今回のプロジェクトが1つの自信につながった反面、課題も浮き彫りになった。「プロジェクトを進める相手と共通認識を持つために、自身の伝えたいことをきっちりと伝達する努力が必要。また問題を早く発見できるよう、常にアンテナを立てて行動したい」。現在は反省を基に、危機意識を持ってプロジェクトに取り組んでいる。

「今後は一機能の担当者ではなく、プロジェクトリーダーとして全体像を把握しながらプロジェクトを手掛けていきたいですね」。明確な目標を持つ谷野は、目の前にある仕事を着実にこなしていく。そこには必ず、真の顧客満足を得るための“工夫”を伴って──。
「プロジェクトの成功例を紹介することで、会社全体のボトムアップを図っていきたい」と会社の将来をも視野に入れている谷野。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
「ホテルで結婚式の配膳のアルバイトを4年間続けました。スケジュール通りに業務を進め、最後まで全うする責任感など学びました。これらの経験は、IT業界で働く今、とても役立っていると感じています。SEとしての納期遵守や、プロジェクト完遂まで粘り強く対応することなどに活きています!」。
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