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情報・通信(ソフトウェア開発) / 情報・通信(情報処理サービス) / サービス(専門コンサルティング(情報通信系))
最終更新日: 2008/01/17
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プロの仕事研究
“人生は一度”との想いで転身し、SEとしてキャリアを重ねるシステム開発のプロ。
ソフトウェア系−システムエンジニア(オープン、WEB系)
開発部
榎本 貴江 (32歳) Takae Enomoto
入社4年目 / 法学部 法律学科 出身

プロフィール
アットホームな社風に魅力を感じ入社。まずはテスト担当としてプロジェクトを通じて着実に業務実績を積み重ねる。入社2年目には、資材調達システムの仕様書を初めて作成し成果を上げた。現在ではシステムの設計からプログラム作成・テストまで一貫して携わるシステムエンジニアとして活躍を遂げている。

プロローグ
榎本はわずか数年前まで、自分がITに関わる仕事をするとは思ってもいなかった。

法学部を卒業後、医療関係の仕事に携わっていた。そこでは膨大な量の紙カルテが榎本の仕事を阻む。診察料の支払いやクスリの処方で待っている、受付のカウンター越しに見えるお客様の表情は曇りがちだった。しかしある時、その事態を一変させる出来事が起きる。システムの導入だ。カルテはすべて電子化され、榎本の業務量は軽減された。お客様の待ち時間も見る見るうちに減っていった。

手に取るように分かるシステムの影響力に、榎本は感動すら覚えていた。さらにそれを使ううちに、新たな好奇心が湧き上がってきた。「使う側から作る側になりたい!」。思い立ったが吉日。人生は一度きりしかないという想いで、榎本は転身を決意した。パソコン教室に通いながら言語や情報処理の基礎を覚えた。そして、芝情報と出会った ――― 。

仕様書の作成を初めて任される。 1
入社してからちょうど1年が経った頃。それまで主にシステムのテスト業務を担当していた榎本に、ステップアップのチャンスが訪れた。仕様書の作成という、新たな仕事が任されたのだ。これまでは先輩が作った仕様書に基づいて、システムのプログラミングやテストを行なってきた榎本。いわば、仕様という求められる答えに沿ってプログラミングをしていた。しかし今後は自らが答えを作り出す側に立たねばならない。「私にうまくできるのかな…」。それが榎本の正直な気持ちだった。

榎本が任されたのは、コンピュータメーカーと販売会社をつなぐ資材調達システム。販売会社がメーカーにものを発注する際に必要となる発注伝票や見積、納品報告といった受注から発注までの一連の流れをシステム化している。その発注機能におけるユーザー側(お客様が使うシステムの画面)の開発に従事することになった。もともとお客様は自前のシステムを有していたが、発注の需要増大に伴ってシステムの刷新が余儀なくされていた。そのため、システムの安定稼動に向けた保守を強化するべく、芝情報に新たな開発が依頼されたのだった。

業界を代表する企業との直接取引に挑む。 2
プロジェクトは上司と榎本の2名体制で進めることになった。まずは上司に同行して、お客様との打ち合わせに臨む。そこではお客様の要望を吸い上げ、開発すべきシステムのすり合わせを行なうのだ。打ち合わせの内容に沿って仕様書を作るのだから、榎本にとっては非常に重要な工程だ。お客様は業界を代表する企業。思わず表情がこわばる榎本の姿があった。

さっそくお客様からいくつかの要望が投げられる。現状のシステムの改善点、新たな機能の追加、ユーザビリティの向上…。それらをどのようにシステムというカタチに落とし込んでいくのか。仕様書を作る榎本の腕が問われる瞬間だった。

初めてのお客様との打ち合わせということもあり緊張の面持ちでいた榎本だったが、テストの経験もあって内容が理解できないということはなかった。しかし打ち合わせでは、思わぬ宿題を持ち帰ることになる。システムの仕様が未確定の部分がいくつかあったのだ ――― 。

未確定の仕様をどのような工夫で固めていくのか…。 3
未確定だったのは、帳票や納品報告書に関してお客様が使う画面部分。常にお客様が使用する部分だけに、榎本は使いやすさにこだわりたいと思っていた。しかし、プログラマ時代は仕様が固まっていた状態しか知らなかっただけに、どのように仕様を決めていくかについては未知数だった。そこで榎本は、まず上司にアドバイスを求めることにした。すると上司は、「サンプルをいくつか作って提案してみるといいんじゃないか?」と具体的な指示を出してくれたのだ。

サンプルを作る上で榎本が気をつけたことは、お客様の視点に立つということ。画面内の各項目や機能をどのように配置すれば使いやすいものになるのか、思案に思案を重ねた。

そしてむかえた提案日。複数のサンプルを手に、榎本はお客様のもとへと向かった。「この画面はよく使うところになりますので、見やすい工夫をしました。例えば…」 「なるほど、いいですね〜」。お客様からは色よい反応が返ってくる。ただし、そのまま仕様がすんなり決まるとは限らない。「ここの文字、もっと太くならないかなぁ」。打ち合わせのたびに細かい要望は新たに湧き上がる。要望の実現に向けて繰り返し仕様を詰めていくことで、システムの全貌は徐々に明らかになっていくのだ。

自らの提案が発端になり、システムができるまでを経験する。 4
お客様の要望を言葉通りに受け取るのではなく、その真意を読み取ることに榎本はこだわった。「文字を太く」といっても単に太くすればいいのか、使いやすいように目立たせたいのか、字を大きくすればいいのかなど、要望の一つひとつを反芻して最適な提案を試みる。そうした榎本の工夫もあり提案が認められ、いよいよ開発フェーズはプログラム作成に入ることとなった。

自ら作った仕様書に基づいて、プログラムを作成する。打ち込んでいく一つひとつのソースコードがシステムをつくり上げる骨組みとなっていく。プロジェクトスタート時、少し不安な気持ちになっていた榎本だったが、今はお客様とのやりとりを楽しんでいた。それはお客様と幾度となく打ち合わせを行なううちに、仕様やシステムが完成に近づいていくことが実感できたからだった。

こうしてプログラム作成は終了し、その後に行なわれたお客様を交えたテストでも問題は起きなかった。ここに、榎本は任された仕事を見事に成し遂げたことが証明されたのだ。ホッと息を漏らす榎本。『どのようにしてシステムはでき上がっていくのか』を、身を持って体験することができた。その喜びを榎本は味わっていたのだった。

エピローグ
初めて仕様書から作成したこのプログラムは、エラーが出ることもなく今でも順調に稼動している。仕様書作成・プログラム作成・テストと、一貫したシステム開発の工程に携わったことで、自己責任能力もついてきたと感じている。

現在も開発現場の一線で活躍している榎本ではあるが、今後は社内教育体制の拡充も図りたいと考えている。自信の持つスキルやノウハウを後輩に伝えていくことで、芝情報のエンジニアをより強固な組織体系にしていくことが榎本の夢だ。「でも、そのためにはもっと実績を積んでからでないと難しいですよね」。笑って語る榎本の眼差しは確かに将来を見据えていた。
「PCに向き合っている時間って実は少ないんですよ。お客様との打ち合わせや書類作成に時間を費やします」。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
ゼミでは論文を書く機会が何度もあり、文章を書くことに慣れていった。書き連ねるのではなく、読み手に分かりやすい文章の構成を心がけていたという。SEの仕事は、設計書・仕様書など様々な書類を作成し、開発を進めていくことが多い。誤解のない分かりやすい書類を作ることは仕事にとって重要だと感じている。
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