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そんな彼も就職活動。「“就職”って言われてもやりたいこともよく分からないし。でも今は不景気だからなあ…」とちょっとユウウツ気味。友達は大学院進学や専門資格を目指してバリバリ勉強していたので、さらに不安が募った。そして、夏休み前にある決意をすることになる。
『よし、僕も何か就職活動にPRできるようなことを今のうちに身に付けよう』
家で専門学校や短期留学のパンフレットをめくっていると、おじいちゃんに声をかけられた。
「ほほう、感心、感心。しかし、おまえは小さい頃から字が汚すぎた。そんなことでは苦労するぞー!まず始めに字の練習をしなさい。『字は心なり』と言ってな……」
「そうか…」
おじいちゃんの話に影響されてか、彼は夏休みを毎日使って地元の書道教室に通い、小学生と一緒に字の練習をしたのだった。
そして、履歴書を書くようになった12月。とりあえずテレビ局のアナウンサーを受けることにした澤田君。すっかり達筆となった字で履歴書の項目を埋めていった。
「ええっと、[自己PR]の欄はどうしよう…、『私は字が綺麗です。だからアナウンサーを…。』あれ、全然PRにならないよぉ…。」
澤田君の履歴書は、未完成のままずっと机の上に置いてある。[自己PR]欄が彼の綺麗な字で記入されるのを待ちつづけているのであった。 |
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